【KZ ZSTX &ZST 比較 レビュー】KZお得意の低価格ハイブリッドドライバーイヤホンを比較しました


左からZST、S1、ZSTX三つともハイブリッドドライバーのイヤホン


はじめに

 こんにちは。みなさんは菓子パン好きですか?私はファミリーマートのチョコクロワッサン(税込み128円)が好きだったのですが、ある日、チョコクロが食べたいと思ってファミマに行くと、チョコパイ4つ入り(税込み168円)なる商品を見つけてしまいました。その佇まい(たたずまい)に非常に魅力を感じてしまい、チョコクロではなくチョコパイ4個入を購入してしまいました。早速、コーヒーと一緒に食べてみたところ、サクッとした生地の食感がたまらない感じで、あっと言う間に3つ食べてしまいました。ちなみに1406㎉のチョコクロに対して、チョコパイ4個入は1149㎉とのことで、1円当たりのカロリーはチョコクロ3.171/円に対して、チョコパイ4個入は3.547/円です。チョコパイの方がコスパが高いですね(激謎)

見かけたら是非ご賞味ください♪

 そんなわけで、本日はKZイヤホンの夏の新作ZSTXを紹介いたします。ZSTX2020624日に発売されたKZの最新イヤホンの一つです。中華イヤホン界最強と言われているKZのベストセラー、ZSTをベースにしたニューモデルで、カラーはブラック、グリーン、謎カラーの三色展開です。ちなみに謎カラーとは前作のZSTにあった、イヤホン本体のフェイスプレートが紫色で耳の方のシェルが青色という、何とも不思議なカラーリングのモデルのことです。ちなみにこの謎カラーは、正式にはパープルのようです。何を隠そう(隠す理由はありませんが)私が初めて買ったKZのイヤホンはZSTの謎カラーなので、ある意味で謎カラーはとても思入れと愛着のあるカラーなのですが、今回購入したZSTXはグリーンです。KZイヤホンのモデル名は、日本のバイクメーカーである川崎重工株式会社を連想させるので緑色を選んだ・・・わけではありません。

すっきり爽やか白箱



 

  使ってみた
 KZイヤホンのケースには重厚な面持ちの黒い箱と、中華感溢れる簡素感が強い白い箱があります。今回、私の手元にやってきたのはTHE中華イヤホンな雰囲気溢れる白箱でした。箱を開けると、左右のイヤホンが可愛らしく鎮座しています。ZSTXのイヤホン本体は、今までレビューしてきた白日イヤホンことAS06や、格安なTWSとして好評を博しているKZ-S1に比べてコンパクトな躯体を採用しています。音を奏でるドライバーは、KZお得意のBADDというハイブリッドドライバーになっています。ZSTZSTXの躯体はどちらも綺麗なスケルトンタイプなので、中身のドライバーが良く見えます。そして、見た感じですが、入っているドライバーがそれぞれ違うようです。これがどのような音の違いを生み出すのかが気になります。

イヤホンはしっかり固定されています

 付属品はイヤーピースS,M,Lの三種類と何とびっくり編み込みタイプの銀メッキケーブルです。今までのKZイヤホンは編み込みタイプの銅ケーブルが付属していました。KZのイヤホンの多くはケーブルを取り換えることができるリケーブル方式を採用していて、イヤホンのコネクタは2本のピンで接続する、通称2ピンと呼ばれるものを採用しています。この接続方式を採用しているおかげで、様々なメーカーの取り換え用のケーブルや、Bluetoothアダプターを使用することができ、自分好みのイヤホンにすることができます。そうそう、何がびっくりなのかと言うと、ZSTXに付属していた銀メッキケーブルは、一般的には3,000円以上するものです。ZSTX自体が2,000円程度なので、ちょっと理解不能な価格設定だと言えます。これから中華イヤホンの沼の中にはまっていく予定のユーザーにとっては、ZSTXはお買い得感MAXなイヤホンなのかもしれません(謎)。



付属品は買うと高価な銀メッキケーブル。
KZさんの価格設定がわからない・・・


 いつものようにいつまでたっても使ってみたになっていませんが、今回はZSTZSTXを有線接続で比較していこうと思います。音のチェックはいつも通りAmazon Musicでダウンロードした二曲「打上花火/DAOKO×米津玄師 (作詞・作曲 c/Produced by 米津玄師)と「ピアノで聴く癒されJ-POP ありがとう(Originally Performed byいきものがかり 演奏:林そよか」を聴き込んで行いました。再生機器もいつもの通り、SHARPのスマートフォン、アクオスR2コンパクトを使用して、イヤーピースはShure純正ウレタンイヤーピース改を使用いたしました。純粋にイヤホンの音だけ比較したかったので、ケーブルはどちらもZSTX付属の銀メッキケーブルを使ってみました。

まずは謎カラーが美しいZSTを有線接続して、「打上花火/DAOKO×米津玄師 (作詞・作曲 c/Produced by 米津玄師)」を聴いてみました。これぞKZという感じのドンシャリサウンドです。しっかりとしたキレとパンチのある低音とキラキラした高音が目立ちます。高音を担う楽器はしっかりと聞こえて爽快感があります。再生環境によると思うのですが、私の再生環境では楽器の音が耳に刺さる感じはほとんどないですが、ボーカルのサ行が気持ち刺さると感じはあり、よく言えばライブ感がある設定だと思います。謎カラーのイヤホンの躯体は個性的で、見た目が派手で音も派手な方だと思いますが、聴き疲れするようなドンシャリではないと思います。よく聴けば粗さが目立つイヤホンなのかもしれませんが、音のインパクトが非常に強く、値段を考えると驚異的な完成度を誇るイヤホンだと思います。

 続いて新作のZSTXを接続して聴いてみます。曲の出だしから全然音が違います。どんなにイヤホン初心者の人でも違いがわかるくらいの音の違いがあります(私も初心者レベルですが(;^_^A)。中低域の音の厚みが全然違います。打上花火の夜の世界に重厚な雰囲気が漂います。中音域が軽いZSTと比べて、ボーカルもしっとりした感じで、女性、男性どちらの声も綺麗に再生されており、ZSTのようにボーカルのサ行が刺さる感じはありません。高音域のキラキラ感が目立ったZSTとは違い、高音域のキラキラ感は控えめになっていますが、十分に高音域も出ていると思います。ZSTXZSTに比べて大人なチューニングと言っても良いのかもしれません。



名機ZSTの謎カラー。ZSTXでも選べます。
賛否両論ある色ですが、私は好きです。


次はZSTで「ピアノで聴く癒されJ-POP ありがとう(Originally Performed byいきものがかり 演奏:林そよか」を有線接続で聴いてみました。低音域は深みの点で少し物足りなさを感じますが、予想外に中音域は艶があり深みをもっているように聞こえて少し意外な感じがします。もしかすると銀メッキケーブルのせいなのかもしれません。高音も良い音ですが、ほんのわずかに音抜けが悪いようにも思えます。ZSTの音の傾向を考えると、高音域は元気のよい感じになると思っていたのですが、思っていたよりも抜けてこない印象です。ZSTはピアノ曲の再生についてはあまり得意ではない様子で、やや小ぶりなピアノ(どんなピアノやねん!!)を聴いているような雰囲気で多少物足りなさを感じますが、よく言えば聴きやすい可愛らしい音と言えるのかもしれません。

最後にZSTXで聴いてみました。ZSTXを購入する前は、きっとZSTと同じようなドンシャリサウンドで、ピアノの再生とかは苦手だろうなと想像していました。しかし、実際の出音は良い意味で見事に期待を裏切ってくれました。ZSTでは再生できなかったピアノの深みがきちんと再生されています。ZSTXの緑色の躯体からは、美しい、深みのあるピアノサウンドが耳に送られてきます。流石に以前レビューしたゼンハイザーのIE40PROのような緻密さはありませんが、値段を考えると信じられないレベルの音だと思います。音の強弱についても良い感じで不快な刺激を感じません。よくこのレベルに仕上げてきたなと思いました。


SHARPのR2コンパクトとZSTX


おわりに

 今回は2020624日に発売されたKZの新作ZSTXについて紹介しました。以前から販売されているZSTと比較しながら聴いてみたのですが、これぞKZサウンドというドンシャリ傾向の強いZSTに比べると、新作のZSTXは音に深みのある大人な雰囲気のサウンドにまとめ上げられている印象でした。サウンドチェックには、いつものようにJ-POPとピアノ曲を使ったのですが、旧作のZXTはピアノ系の楽曲よりも、元気なロックが向いている味付けのイヤホンだと思いました。一方で新作のZSTXZSTに比べて、オールジャンルに対応できる味付けを感じました。

しかし、今回改めてイヤホンの評価は難しいなぁと感じました。新作のZSTXの方が全てにおいて良いのかと言うと、単純にそうとは言い切れないというか、個人的にロックやJ-POPを切れの良い軽快なサウンドで楽しみたい時はZSTの方が良いような気もしますし、色々な楽曲を重厚な低音を感じながら楽しみたいのであれば新作のZSTXが良いと思います。特に、ピアノ楽曲に関しては旧作のZSTよりも新作のZSTXの再生能力が一枚上手だと感じました。音楽の再生環境や音の好みによってインプレッションは変わると思いますが、今回はこの辺りで終わろうと思います。次回は、ZSTZSTXKZBluetoothケーブルに接続して比較してみたいと思います。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
(ZSTXよりも低音の刺激が欲しい人はZSN Pro Xがおススメらしいですよ)

コメント

人気の投稿