【Ryzen5 1600AF レビュー】CPUすっぽんからの復帰!?純正クーラー交換でCPUのスペックを使い切る!!
CPUすっぽん初体験!! |
はじめに
先日ASUSさんから、E210MAというノートPCをお借りしました。今年の8月20日に発売されたばかりのノートPCです。この記事はE210MAを使って作成いたしました。もうすぐ9月になりますが、相変わらず暑い日が続きますね。私は小さな畑で野菜を作っているのですが、今年はDaisoで購入したメロンの種をまいてみました。メロンと言ってもマスクメロンのような高級品ではなく、プリンスメロンのような庶民メロンです。今朝、畑に行くとそのメロンが良い感じになっていました。丁度、以前記事にしたコンパクトスピーカーCreative Pebble V2位の大きさに育っていたので収穫してみました。どんな味がするか楽しみです。
Creative Pebble V2は良い音だが、庶民メロンは音がしない(謎) |
本日はAMDのRyzen5 1600AFの純正CPUクーラー交換してみました。Ryzen5 1600AFは発売当初、多くのYouTuberやブロガー達がこぞって取り上げたCPUです。税別9980円という値段にも関わらず、6コア12スレッドという、一昔前のハイエンドCPUに迫る性能を持っている超コスパのCPUだったため、AMDがIntelを潰すために販売したCPUだと言われていました。そんな1600AFですが、あまりにも人気があるために品切れが続出してしまい、現在は2万円超のプレミア価格になっています。しかし、1600AFに2万円以上支払うのであれば、どう考えても3300Xや3600Xを購入した方が良いので、この記事を読んで1600AFを購入しないように注意してください(3300Xも品切れ気味です)。
Ryzen5 1600AFは超コスパだがプレミアで買う価値はない。写真左はCreativ Pebble V2である。
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交換してみた
当初1600AFで使っていた純正リテールクーラー、Wraith StealthでChine Bench R20を連続で5回ほど実施した数値がこちらです。CPU温度の最小値は39℃、最大値は94℃、スコアは2643ptsです。AMD Ryzenシリーズの温度上限は95℃と言われているので、ケースの環境設定にもよるとは思いますが、1600AFにWraith Stealthでは冷却にあまり余裕がないようです。一応OSが落ちることもなくCPU温度は94℃を保っているので、コントロールはできているようですが精神衛生上あまり良い状況ではありませんね。Wraith Stealthだとたった5回でこの発熱 |
CPU以外の状態をチェックしてみたところGPUは大きな影響を受けてはいませんが、SSDは52℃まで温度が上昇していました。Mini ITXマザーボード(GIGABYTEのAORUS)でSSDの実装位置がCPUのすぐ隣のためなのか、ヒートシンクをつけているにも関わらずこのような温度になっています。ちなみにSATA接続のM.2 SSDを使用しているのですが、これがもしもNVMe接続のM.2 SSDでSSDに負荷がかかるような使用をすればサーマルスロットリングが起きてしまいそうです。
SSDに負荷はかけていないのにこの状態 |
狭いのでCPUの熱の影響が波及しやすい |
そんなわけでRyzen5 1600AFを載せているサブPCのCPUクーラーを、メインPCに装着しているRyzen7 3700X純正のWraith Prism Coolerに換装することにしました。まずはメインPCに装着しているWraith Prism Coolerを取り外します。Wraith Prism CoolerはAMDマザーボード専用のCPUクーラーで装着と取り外しにネジが必要ありません。Wraith Prism Coolerに付属している2本の金具を、マザーボード上のフックに引っ掛けるだけで簡単に装着できる構造のため取り付けと取り外しが非常に簡単です。
Wraith Prism Coolerはファンとその周りが光ります |
メインPCからWraith Prism Coolerを取り外して、CPU上面とWraith Prism Coolerの接地面に残ったCPUグリスをパーツクリーナを含ませたティッシュできれいに拭き取ります。次に、1600AFを載せているサブPCのサイドカバーを外して、Wraith Stealthクーラーを止めている4本のネジを緩めました。ここから雲行きが怪しくなっていきます。装着時と逆の手順で4本のネジを少しずつ緩めていったのですが、ネジが全部緩んでいるにも関わらずWraith Stealthクーラーが外れません。はじめはネジが緩み切っていないのかと思ったのですが、どうやら、1600AFのヒートスプレッダーとCPUクーラーが固着気味のようです。もっとハードに使っているメインPCに比べると、このPCは組んでから数か月しかたっていなかったので予想外の展開でした。
Wraith Prism Coolerのベースプレートは銅で放熱性が高い |
CPUクーラーを外すために、CPUクーラーにあれこれと力を加えてみます。CPUクーラーをスライドさせるように抜けばよかったのかもしれませんが、サブPCはRaijintek METIS PLUSという小さなケースを使っているので、スライドさせるようなスペースがあまりありません。しばらくCPUクーラーを動かしていると、スッと言う手ごたえがありました。ホッとしてCPUクーラーを持ち上げると、マザーボードにCPUがありません(-_-;)まさかと思い恐る恐るCPUクーラーを裏返すと、Wraith Stealthクーラーのど真ん中に1600AF様が装着されているではありませんか・・・
これが噂のすっぽん・・・
全てのAMDユーザーが恐れる「すっぽん」 |
ある種の感動を覚えつつ!? 内心はかなり焦りながらCPUをチェックします。CPUのピンには曲がりはないようです。さてどうやって外すか・・・スマホで検索してみると、マイナスドライバーで抉るのが良いようなことが書かれています。ただし、外れた拍子にCPUが飛んでいくと、ほほ確実にCPUのピンが折れてしまうようなことも書かれていました。そこで、CPUのヒートスプレッダーとCPUクーラーの間に薄刃のカッターナイフを差し込んでみようと思いました。工具箱から100均のカッターを取り出し、CPUを外そうと試みますが全然はずれません。隙間にカッターが入っていかないのです。実は焦ってCPU基盤とCPUヒートスプレッダーの間にカッターを入れようとしていたため、びくともしなかったのです。今思うと外れなくてよかったです(笑)
ネットの情報のようにマイナスドライバーを試そうかと思いましたが、マイナスドライバーでは少し攻撃力が強すぎる気がしたので、工具箱の中にあったエーモン製の自動車の内装はがしを使うことにしました。これならマイナスドライバーと違って鋭利な部分がないので、パーツに余計な傷をつける可能性が低そうですし、てこで2点に力がかかる形状なので、CPUが吹っ飛びにくいかなぁと思ったのでした。CPUとCPUクーラーの間に内装はがしを入れて、CPUが吹っ飛ばないように慎重に力を加えてみたところ、あっさりとCPUを外すことができました。
エーモンの内装はがしは一家に一本あると良い |
無事にCPUは外れましたが、CPUについていたCPUグリスがべったりと手についてしまいました。ヒートスプレッダー周りにもCPUグリスが結構はみ出していたため、CPUグリスが少しCPUのピンにもついてしまいました。とりあえず、CPUをマザーボードに戻して、CPUに残ったグリスを拭き取りました。CPUグリスが多すぎたためなのか、CPUを高温で運用したためなのかはわかりませんが、CPUグリスが結構固まってこびりついていました。しかし、私はまたしても大きなミスをしていたのです。
みなさんはCPUのピンにグリスがついたままソケットに刺さないようにしましょうね |
すでに気が付いている人も多いかもしれませんが、なんと私はCPUのピンにグリスが付いた状態でCPUマザーボードに戻してしまっていたのです。私が使用しているグリスはMX-4とういう絶縁性があるグリスなので、このままではうまく通電しない可能性が高いです。しかも、マザーボードに戻してしまっているので、CPUソケットにもグリスが入ってしまっているはずです。再びスマホで検索してみたところ、どうやらかなりヤバい状況のようです。最悪CPUとマザーボードどちらも使用不能になってしまう可能性があると書かれている記事がいくつかヒットしました。CPUもマザーボードも購入後数か月なので、何とか復活させたい・・・ふと頭の片隅に、ある考えが浮かびました。「自動車いじりをしていた頃に電子パーツの掃除に使っていたKUREのエレクトロニッククリーナーを使えば良いかも」早速近所のホームセンターの自動車コーナーに向かいました。
ホームセンターに行って、無事にKUREのエレクトロニッククリーナーを手に入れて帰宅しました。マザーボードからCPUを外して確認してみると、やはりCPUのピンとマザーボードのソケットにグリスがついていました。CPUをティッシュの上に置いて、ピンの部分にエレクトロニッククリーナーを吹きかけます。マザーボードも同じように十分に洗い流せるくらいの量を吹きかけました。マザーボードはティッシュ(本当はキムワイプのような埃が出ないペーパーがよいと思います)で軽くクリーナーを拭き取り、CPUはそのままの状態でドライヤーの冷風を使って風を吹き付けてみたところ、見る見るうちにクリーナーが乾いていきます。CPUとマザーボードどちらとも3分くらい風を吹き付けて十分に乾かしてから組付けました。
CPUのピンとCPUソケットにたっぷりと吹き付けてグリスを洗い流すように使いました |
その後、Wraith Prism Coolerを装着したのですが、これがまた結構面倒臭い感じでした。私がサブPCに使用しているのはRaijintekのMETIS PLUSというケースで、これは結構コンパクトなPCケースなのです。そのためPCケースにマザーボードつけた状態ではWraith Prism Coolerのフックをかけることが難しいのです。私の指は細くて長い方ですが、ケースとCPUクーラーの間に全然指が入りません。しかしRaijintekのMETIS PLUSは非常によく考えられたケースで、10本程度ネジを外すことでケースの底板を外すことができるのです。ここを外すとメンテナンス性が大変よくなります。底板さえ外してしまえばWraith Prism Coolerのフックを簡単に装着することができますし、CPUクーラー装着後には刺し込みにくい、マザーボード隅にあるCPU FAN端子にFANコネクタを差し込むことも難なくできました。
無事、CPUクーラーの交換を完了することができたので、配線を繋いでPCの動作チェックをします。いざPCのボタンを押すと・・・反応しません(;'∀')
ちょっと焦りましたが、PC底面にあるPCの元電源が切れていただけでした。元電源をONにして再度PCの主電源を押します。Wraith Prism Coolerが点灯してファンが回転を始め、続いてケースファンも点灯・回転を始めました。ファンのRGB設定が失われたようで、GIGABYTEの初期設定である電子レンジのようなオレンジ色でRGBが点灯しています。
しかし・・・画面がつきません。少々不安になりながらもそのまま待っていると、ビープ音と共にAORUSのロゴが画面に現れました。何とか無事に起動することができました。動作の方も特に問題ないようです。Chine Bench R20を5回実行してCore TempでCPU温度を測定したところ衝撃の結果が出ました。CPU温度の最小値は31℃、最大値は67℃で安定しており、さらにCPUスコアは2757ptsを記録しました。
AMDロゴが逆さま説有 |
終わりに
今回はRyzen5 1600AFの純正CPUクーラーであるWraith Stealthを、Ryzen7 3700X純正のWraith Prism Coolerに交換しました。純正クーラー同士の交換ですが、交換することによって1600AFのCPU温度が劇的に低くなった上に、CPUスコアが100以上も上昇するという思わぬ副産物まで得ることができました。CPUクーラーの換装にあたって、初心者ならではのトラブルもありましたが、何とか無事に換装を終えることができ、その結果も非常に満足いくものになりました。ところで今回サブPCのCPUクーラーの換装を行うにあたって、メインPCのCPUクーラーはScytheさんの無限5に変更しました。こちらの交換に関しても、機会があれば記事にしたいと思います。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
Wraith Prism Coolerの冷却能力は抜群だった
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