【Sennheiser IE40PROレビュー】ドイツの名門が作る質実剛健な高性能有線イヤホンのエントリーモデルをBluetooth化して検証してみた
はじめに
梅雨が明けてから非常に暑い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?本日はSennheiser(ゼンハイザー)のIE40PROです。ビールのBudweiserと似た響きですが、Budweiserはアメリカのメーカーだそうです。Sennheiserはドイツに本拠を置くマイクやヘッドホンなどを扱う音響機器メーカーです。その音質は繊細で、マニアや音響のプロからの評価が非常に高いようです。世の中がこうなる数年前に、家電量販店で片っ端から有線イヤホンを試聴したことがあるのですが、前回記事にしたShureとSennheiserは別格の音だった記憶があります。両社とも高額なモデルが多いのですが、Sennheiserに関しては数千円のイヤホンがあり購入するかを相当迷いました。しかし、購入を迷ったSennheiserのイヤホンはインイヤー型で、遮音性が今一つではないかと思ったので、結局、ソニーの安価なカナル型イヤホンを購入してしまいました。今思うと騒がしい家電量販店内にも関わらず、インイヤーイヤホンで良い音だと思わせたSennheiserのそのイヤホンの凄さを感じます。しかし、残念ながらモデル名は失念してしまいました。
IE40PROの価格帯はいわゆる諭吉オーバーのイヤホンなので、イヤホン初心者(謎)の方にとっては手を出しにくいイヤホンだと思います。ちなみにIE40PROと同時に、IE400PROとIE500PROという上位モデルが発売されたのですが、それぞれ4諭吉オーバー、5諭吉オーバーという価格設定でございます。そう考えると、IE40PROが安く感じる…かどうかはわかりませんが、その音は流石は諭吉オーバークラスと言えるものでした。ちなみにサウンドハウスさんあたりは、SennheiserやShureのイヤホンの割引クーポンを配布していることが多いので、気になる人は一度チェックしてみると良いかもしれません。元の金額が高額なだけあって、割引クーポン(%引きが多いです)の威力を感じることができると思います。
使ってみた
まず、箱がそこそこ大きいです。付属品はシリコン製イヤーピースが4種類と掃除用の棒?と持ち運び用のケースです。Shureと同様にリケーブルが可能なイヤホンなのですが、このIE40PROはIE40PRO専用の接続方式になっています(しかも他のSennheiserのリケーブルとは違うIE40PRO専用規格)。Shureのmmcxのような汎用的な企画ではないので、リケーブル用のケーブルを探すのが結構大変かもしれません。純正のケーブルは黒で、見た目は普通ですが音質は十分に良いです。Sennheiser社からすれば、「リケーブル?純正にしろ」と言わんばかりの音質です。Sennheiserらしく、解像度の高い音質ですが、低音も結構効いています。イヤモニのように解像度の高い音質にも関わらず、イヤモニとは呼べない低音が効いた音質と言っても良いと思います。
音のチェックはいつも通りの二曲「打上花火/DAOKO×米津玄師 (作詞・作曲 c/Produced by 米津玄師)」と「ピアノで聴く癒されJ-POP ありがとう(Originally Performed byいきものがかり 演奏:林そよか」を聴き込んで行いました。有線はSennheiserの純正ケーブルを使用して、無線はMacaW TE60-Xを使用しました。ちなみにイヤーピースは、Shure純正ウレタン改を使用しています。
まずは有線接続で「打上花火/DAOKO×米津玄師 (作詞・作曲 c/Produced
by 米津玄師)」を聴いてみました。上品で深みのある低音域。切れのある高音域。まろやかな中音域で非常にバランスが良いと思います。全ての音域の鳴りがバランス良いのですが、前述したように意外と豊かな低音がしっかりと鳴っています。低音がしっかりと鳴っていますが、下品な低音ではなく品質の良い上品な低音で、聞こえる音数が非常に多いイヤホンだと思います。これだけの音数を鳴らして、どの音域においても音の破綻がないところが凄いと思います。流石、モデル名にPROを入れるだけのことはあってイヤモニの形をしているけれど、純粋なイヤモニよりも少し音楽を楽しむ方向に振ってあるイヤホンだと思いました。
次にMacaW TE60-Xを使って無線で聴いてみました。MacaW TE60-XはAPTX対応でネックバンドタイプのBluetoothケーブルです。この手のケーブルは黒いゴム製のものがほとんどですが、MacaW TE60-Xは銅の撚線タイプのケーブルを使用していてカスタム感が高いと思います。さて、肝心の音質ですが、低音の深みが少し減って、高音の表現力が増しているような、気持ちドンシャリ感があるものの、中域に関しても十分に出ていて、有線よりもメリハリある味付けだとも言えます。ドラムやベースの音は輪郭がすっきりと聞こえて、ドラムロール的な部分は音の定位が良く非常に気持ちよく聞くことができました。
続いて「ピアノで聴く癒されJ-POP ありがとう(Originally Performed byいきものがかり 演奏:林そよか」を純正ケーブルで聴いてみました。生ピアノです。ピアノと言う以外に表現できない程のピアノ感です。あまりにも凄すぎて表現があっさりしてしまうのですが、音域の広さと音数が凄く、どのパートにおいても破綻がなく、目を閉じると、まさにピアノを聴いている感じがします。コンサートホールでのピアノ演奏のような広がり感があるピアノの音ではなく、レストランやバーでピアノの生演奏を聴いているような雰囲気のある音で、音の距離が近いと言えば良いのでしょうか?。凄い表現力をもったイヤホンだと思います。そしてこのレベルの音を出してしまう純正ケーブル恐るべしというところでしょうか。
最後はMacaW TE60-Xを使って無線で聴いてみました。ピアノの音は有線に比べるとすっきりとした感じに聞こえます。一回り小さいピアノを聴いているような雰囲気ですが、音の強弱などの表現はしっかりと聞こえてきます。IE40PROイヤホン本体のポテンシャルの高さがそうさせているのかもしれないです。中高音域に関してはとても綺麗な音色を楽しめます。ピアノ特有の豊かな低音に関しては、完全有線に分があるものの、無線だから音が悪いというような感じではなく、これはこれで良い音だと思います。純正の有線が凄すぎるだけかもしれません。
おわりに
本日はSennheiser(ゼンハイザー)のIE40PROについて紹介させていただきました。購入したのは結構前だったのですが、聴き直してみると改めてSennheiserの凄さが感じられました。ドイツのメーカーだけあって、質実剛健かつまるで精密機械のような音質で(伝わりますか?)、今まで繰り返し聴いていた曲の中に新しい音を見つけることができるような非常にポテンシャルの高いイヤホンだと思います。前回のShure SE215SEと同様に、諭吉オーバーイヤホン初心者の人にも安心して勧められるイヤホンだと思います。
しかし、リケーブルの企画が独特であったり、ShureのBT2ほどの優れたBluetoothに出会えていないのが残念です。純正ケーブルで聴く分には、多くのReviewerがShure SE215を超えるイヤホンだと言うのも頷ける、ある意味でコストパフォーマンスが高い素晴らしいイヤホンだと思いました。
今回初めてMacaWのBluetoothケーブルを使いましたが、MacaWのBluetoothケーブルは色々なメーカー向けの物が販売されているので、お気に入りのイヤホンをBluetooth化したいけれど、Bluetoothケーブルがないという人は一度見てみると良いかもしれません。音の好みは様々だと思いますが、癖があまりないBluetoothケーブルだと思うので、ベースとなるイヤホン本体のポテンシャルが十分であればMacaWのBluetoothケーブルは決して悪い選択ではないと思いました。ただ、IE40PRO用のMacaW TE60-Xは品切れが多く、私も購入できるまでに2か月かかりました。現在は供給が安定しているかもしれませんが、IE40PROをBluetoothで聴こと考えている人は予めMacaW TE60-Xの在庫を確認したほうが良いかもしれません。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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