【cooyin SR70 レビュー】大きいことは良いことだ!?音源の持ち味を全て鳴らし切る70㎜高音質ドライバーユニットを搭載したヘッドホンの実力は!?


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70mmドライバーの実力は!?


はじめに

 みなさんいかがお過ごしでしょうか?新年最初のレビューは、cooyin社から販売されているヘッドホン「SR70」です。Twitter(@bocchi33)をご覧いただいている方は既にご存知かと思いますが、本日ご紹介するSR70は何と70㎜という大きなドライバーユニットを搭載した高音質なヘッドホンです。今回は「三流心理カウンセラーのへっぽこレビュー」始まって以来初の試みとして、YouTube動画も作成しました。ブログ記事以上に拙い仕上がりの動画ですが、お時間がある方はYouTube動画の方もご覧いただけると嬉しいです。今思いましたが「この動画を気に入ってくれた方は、高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします」みたいな、YouTuberの方がよく言っているキメ台詞を入れたら良かったです(*´▽`*)

      初のYouTube動画です(*´▽`*)


 私が知っているヘッドホンは40から50㎜程度のドライバーユニットを搭載している製品が多いです。例えば日本が誇るオーディオメーカーであるオーディオテクニカさんのページでは、「ヘッドホンはダイアフラム(振動板)の大きさに比例して音質が向上します」と言及されています。また「オーバーヘッド型でφ30~53mmが多く使用されています」とも記載されています。

 つまり、70㎜のドライバーユニットを搭載したSR70は高音質ヘッドホンとしての素質を持っているということです。ちなみに、ドライバーユニットとは、マグネット、ダイアフラム、ボイスコイルなど、ヘッドホンの音を鳴らす機構一式のことで、大きなドライバーユニットには普通は大きなダイアフラムが搭載されています。一般的に知られているように、小さなダイアフラムは高音域の再生が得意で、大きなダイアフラムは低音域の再生が得意だと言われています。ツィーターはダイアフラムが小さく、ウーファーはダイアフラムが大きいですよね。


イヤーパッドの直径は105㎜くらい


 さて、ダイアフラムを大きくすると良い音を得やすくなるようなことを書きましたが、単純に大きくすれば良いわけではないようです。ダイアフラムが大きくなるとダイアフラムの動きが大きくなるので、ダイアフラム支えるフレームにそれ相応の強度がなければ良い音にならないと書かれているページなどもあります。ネット上の情報を色々と見ていくと、大きなダイアフラムは特に高音域が暴れやすい傾向があり、バランスの良いサウンドを得るためのチューニングが難しいようです。確かに据置オーディオでもスピーカーボックスの強度は重要な項目の一つのようですし、カーオーディオでもスピーカーを取り付ける際にバッフルボードの上に取り付けたりすることで高音質になるような工夫をします。きっとイヤホン、ヘッドホン、スピーカーなどを開発している会社は、各社夫々が工夫をしながら良い音を目指しているのでしょうね。色々と前振りが長くなってしまいましたが、結論から言えば、本日の主役であるSR70ヘッドホンは、無骨で大柄なデザインに反して、低音域から高音域のバランスが素晴らしいヘッドホンでした。詳しくは以下の本文で色々と書いていきます。本日も長々とアレかもしれませんが、最後までよろしくお願いいたします。


SR70のスペックはこんな感じ


使ってみた

 まずは外箱から見ていきます。製品は飾り気のない箱に入っていますが、箱の右下にcooyinのロゴが入ったコルクシールがさりげなく貼られていて少しお洒落です。


ちょっと可愛らしいデザイン

 箱を開けると、ヘッドホンは黒い革製のポーチに入っていました。革製のポーチからヘッドホンを出すと、ヘッドホンにはスポンジ製のイヤーパッドが装着されています(同素材の予備のイヤーパッドが一組付属しています)。箱を開けた段階では、どちらのイヤーパッドにも癖がついていましたが、しばらくすると写真のように元に戻っていました。


黒い革製のポーチ。匂いは無し(笑)


凹みはしばらくすると自然に戻ります


 イヤーパッドはスポンジタイプなので見た目の高級感はレザータイプに劣りますが、抜けの良い音を狙った仕様なのかもしれません。気になる方はAmazonで100㎜から105㎜程度のレザータイプのイヤーパッドを購入してみるのも良さそうです。ただし、イヤーパッドを交換すると音質に結構変化が生じると思います。SR70はいわゆる開放型ヘッドホンで、金属製のハウジングは写真のようにメッシュタイプになっています。つまり、ばっちり音漏れする仕様だと言うことです。電車の中や図書館のような音漏れが気になる場所での使用は控えた方がよいかと思います(笑)逆に密閉型ヘッドホンと違い外の音が聞こえるので、自宅などで使用する時は家族から話しかけられたり、電話やインターホンが鳴る音(私の場合は主にAmazon(^^;)が聞こえるので便利だとも言えます。


開放型なので音漏れしますよ(^_-)-☆

 ヘッドホンハウジングとヘッドホンバンドはステンレス製のポールで連結されていて少しレトロ感を感じる外観です。最近のヘッドホンはステンレス製のヘッドホンバンドと一体になった調整システムが多いので、ステンレスポール上でサイズを調整するSR70は逆に少し新鮮な印象を受けます。ポールタイプなのでイヤーパッドが上下だけでなく左右方向に関してもスムーズに動くので様々な頭の形に無理なくフィットするようになっており、ヘッドバンドの側圧も強くも弱くもなく装用感は良い感じです。


カチカチと簡単に調整できる

 ヘッドホン本体とケーブルは抜き差しができるタイプです。付属のケーブルは布巻タイプで3.5㎜プラグ仕様です。イヤホンのリケーブルと同じくcooyinオーディオのロゴが入ったケーブルタイが付属しています。ケーブルの両端についているプラグはボディーが金属製で、プラグは金メッキが施されていて中々しっかりとした造りです。ケーブルの長さはプラグを入れて1.5m程度(プラグを除くと1.4m程度)で、TVなどを見る場合は延長ケーブルが欲しくなるかもしれません。ちなみに、簡単に組み立てられる金属製のヘッドホンスタンドが付属していました。金属部分は綺麗な光沢があり、パーツの仕上げも変なバリや匂いがなく、品質は悪くないと思いました。ちなみにAmazonで検索すると同様のスタンドが売ってたので、スタンドだけが欲しい人は下にリンクを貼っておきます。


中々の高級感

   


 では、音を聴いていきましょう。まず今回はデスクトップPCからAmazon Music Unlimitedに接続して、「LiSAさん」、「ヨルシカさん」等、いつも聴く曲を中心に聴いてみました。私は普段はイヤホンで音楽を聴くことが多いのですが、さすがにヘッドホンだけあって優しく包み込まれるような心地よい音場を感じます。ボーカルの息遣いやギターやベースの弦が震える感じ、ドラムの抑揚などがイヤホンとは別次元の臨場感を伴って耳に飛び込んできます。


 そのままAmazon Music Unlimitedにてピアノ楽曲を数曲聴いてみました。ピアノというダイナミックレンジの広い楽器の音が、余すことなく耳に飛び込んできます。大変失礼で恐縮なのですが、Amazon Music Unlimitedがこんなに高音質だったことに初めて気が付きました(;^_^A。イヤホンやヘッドホンの試聴時にAmazon Music Unlimitedでいつも聴く楽曲「ピアノで聴く癒されJ-POP ありがとう(Originally Performed byいきものがかり 演奏:林そのか)」の中で、低音から高音まで駆け上るようなフレーズがあるのですが、SR70でこのフレーズを聴いた時に、あまりの迫力・臨場感の凄さに鳥肌が立ちました。この素晴らしい臨場感は、私の手持ちのイヤホンやヘッドホンで再現できるものがありません。「ピアノで聴く癒されJ-POP ありがとう(Originally Performed byいきものがかり 演奏:林そのか)」は、曲中にピアノの広い音域を活かしたフレーズがあるので個人的にイヤホン、ヘッドホンのテストにおススメの楽曲です。この曲の広い音域を活かしたフレーズは、私が持っているイヤホン、ヘッドホンの場合、低音域が優れている製品は高音域で音詰まりや音が細くなってしまうものが多く、高音域が優れた製品だと、低音域のフレーズの臨場感が無くなってしまうことが多いです。しかし、SR70の場合、潰れてしまいやすい低音域はまるで本物のピアノのように響かせて、高音域は音詰まりすることなく、クリア―に鳴らしてくれました。

スマホでも良い音でした♪


 最後にYouTubeにて、和楽器バンドの壮大な空気感を感じる名曲「オキノタユウ」を聴いてみました。「オキノタユウ」は和楽器バンドの中でもかなりスローテンポな曲で、音の洪水になりやすい和楽器バンドの楽曲の中では、楽器それぞれの音の良さを味わえる楽曲です。ご存知の方も多いと思いますが、和楽器バンドの楽曲も再生が難しい曲が多いです。8人編成のバンドで、楽器演奏者が7人いて、しかも和太鼓とドラムがいます。中音域を担う伴奏楽器も複数いるため、音域がかぶりやすいのですが、きちんとミックスされた音源が多いので聴き込むと面白い曲が多いです。


 曲がスタートすると和楽器(ギターも)の音色からスタートします。非常に艶やかで心地よい響きです。尺八の独特な響きを持った息遣いも、ある種の生生しさを感じます。そして、和太鼓の音がとにかく凄いです。イヤホンでは絶対に出せない音の厚み、深み、芯のある低音が耳に飛び込んできます。低音自慢のイヤホンやヘッドホンでもそう簡単には出せない、臨場感のあるまさに「和太鼓の音」が響きます。楽曲を通して、低音は潰れることなくしっかりと鳴り響き、高音は頭打ちすることなく綺麗に響きます。和太鼓とドラムが絡むような演奏部分でも、しっかりと音が聴き分けられるのは本当に凄いことだと思います。SR70の音の方向性は、大口径ドライバーユニットにも関わらず、思いのほか癖がなく、低音域は自然な響きで、不自然にドスドスとした下品な感じは一切ありません。十分な低音を感じながらも籠る感じはなく、綺麗に音が抜けていく感じと言えば良いのでしょうか。中音域の弦楽器やボーカルには非常に艶があり、鈴華ゆう子さんの豊かな歌声は下から上まで非常に伸び伸びと綺麗に再生されます。このあたりの生々しいまでの臨場感はSR70の70㎜ドライバーユニットだからこそ出せるものなのかもしれません。


非常に良い音でした✨


終わりに

 本日は昨年cooyin社からリリースされたヘッドホンであるSR70についてご紹介いたしました。SR70は少しレトロ感漂う外観で、70㎜ドライバーユニットを搭載する高音質ヘッドホンでした。開放型ヘッドホンなので、密閉型ヘッドホンと違って屋外での使用には適していませんが、自宅でゆっくりと音楽を楽しむには最適な製品だと思います。スポンジタイプのイヤーパッドは蒸れないため、レザータイプよりも快適な装用感で、その音質は開放型ならではの抜けの良さがあり非常に気持ちが良かったです。大型ドライバーユニットだからと言って、低音域に音が振られているわけではなく、低音域から高音域まで非常にバランス良い音で、音にブーミーさやサ行が刺さる感じがないため、いつまでも聴いていられるような仕上がりには正直言って驚きました。


少しレトロで落ちついた雰囲気

 70㎜という非常に大きなドライバーユニットを実用化しているメーカーは有名メーカーが多く、またかなり高価なハイエンドモデルが多いですが、cooyinオーディオのSR70は70㎜ドライバーユニットを搭載しているのにこの価格です。付属品のポーチやヘッドホンスタンドの品質も良いため、製品の満足度は高いと思います。そんなSR70ですが、いくつか気になる点もありました。


 まず1つ目はイヤーパッドについてです。スポンジ製のイヤーパッドは装着感、音質ともに良かったですが、箱出し状態ではイヤーパッドが潰れていて少々驚きました。実は、動画を見たcooyin社の担当者の方からも連絡があり、イヤーパッドの変形のことを非常に気にしていました。イヤーパッドの変形自体は、しばらくすると元に戻るので性能的には問題がないとも言えるのですが、ユーザーの気持ちを考えると潰れない梱包にした方が良さそうですね。前回のリケーブルのパッケージの時にも感じましたが、製品を使用するユーザー気持ちにも配慮をするcooyin社の姿勢は素晴らしいと思います。2つ目は、欲を言えば、交換用イヤーパッドはレザー製やスウェードタイプなどにして、音質の違いを楽しめるようにしていただければ面白い気がしました。もしかするとスポンジ製のイヤーパッドがSR70の音質をフルに活かせるのかもしれませんが、巷ではレザー製のイヤーパッドの方が人気があるように感じます。せっかくの高音質ヘッドホンなので、見た目で敬遠されるのはもったいない気がしますし、どちらかと言うと、オーディオマニアファンはイヤーパッド交換などが好きな方が多いので、イヤーパッドが二種類あればきっと喜ぶと思います。3つ目はケーブルの長さについてです。付属品は1.5m程度なので、音響機器のそばやPCなどに繋いで作業する際には丁度良い長さだと思います。しかし、SR70は音も着け心地も良いので、個人的にはTVで映画などを見るときに使える延長ケーブルが付属していたら最高だと思いました。2つ目と3つ目は、問題点というよりも完全に私の願望ですね(笑)。本日も最後までお読みいただきありがとうございます。2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

PS:cooyin社のご好意で、当ブログをご覧いただいた方限定で、SR70の15%OFFクーポンをご用意できることになりました。購入希望の方は、Twitterの@bocchi33まで「ブログを見ました」とDM下さい(^_-)-☆


二回言います。イヤーパッドの凹みは治ります♪


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