【LIZER LAB JIJU-JET レビュー】日本発世界初 魅惑の頭外定位イヤーピース

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世界初の頭外定位イヤーピース

はじめに


みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)

三寒四温でなんだか疲れる毎日で、黄色い粉(花粉)も空気中に舞い始めて色々大変な今日この頃ですが、みなさんはお元気でしょうか(´∀`*)


 本日はLIZER LABからリリースされている世界初の頭外定位を実現したイヤーピースJIJU-JETについてご紹介いたします(Twitterの抽選で当選いたしました♪)。JIJU-JETは群馬県のLIZER LABが開発した頭外定位を得られるという一風変わったイヤーピースです(ちなみに特許取得済みとのことです)。オーディオの世界で言われる定位という概念は色々と意味があるようですが、今回は頭内定位と頭外定位、2種類のことだと思ってください。私も大概にわかオーディオファンなので、細かいことは上手く説明できませんが、頭内定位とはイヤホンやヘッドホンを使って音楽を聴いた時に得られる定位のことで、このブログの読者の方はイヤホン好きの方が多いと思うので、その感覚をあえて説明する必要はないかもしれませんが、頭の中に音場が構築されることを指します。つまり頭内定位とは通常の自然界ではあまり体験しない音の聞こえ方と言って良いでしょう(我々オーディオファンの間ではこれがメインになっている人もいるかもしれませんが(笑))。次に、頭外定位ですが、大まかに言ってしまうと通常の聞こえ方に近い、例えば、スピーカーの前に座って音楽を聴く時の、頭の中ではなく前方からの定位感を感じるような自然な音の聞こえ方に近いもののことを指します。頭外定位に関して調べてみると、いくつかのイヤホンやヘッドホンメーカーも研究をしており、最近も頭外定位を目指したイヤホンが発売されているようです。余談ですが、頭内定位に関して調べてみると古くから聴覚心理学や音響心理学などでも研究の対象になっています。


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非常に高級感溢れるファブリックで覆われたケース


 今回ご紹介するJIJU-JETの凄いところは、特殊なイヤホン、ヘッドホンではなく、自分の気に入っている手持ちのイヤホンでコンサートホールにいるかのような頭外定位の獲得を目指したところだと思います。せっかく頭外定位を得られるイヤホンやヘッドホンであっても。その音質が気にいらなければ元も子もないことを考えると、イヤーピースによって自分が好きなイヤホンで頭外定位を体験できることは非常に意味があることだと思います。そして、結論から言ってしまうと、JIJU-JETを使うと頭外定位的な聴こえ方が体験できます。スピーカーから聴こえる音とは違う感じになるのですが、普段、カナル型イヤホンで音楽を聴く機会が多い筆者にとっては、音が非常に自然な形で聴こえてくるのはとても心地良い体験でした。いつものようにまとまらない文章が続くと思いますが、本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします。



使ってみた

 まずは外観から見ていきましょう。JIJU-JETは非常に高級感のあるケースに収められています。中華イヤホンに付属しているようなものではなく、きちんとしたヒンジで開閉できる仕組みのケースです。LIZER LABのHPにも、イヤーピース、ギターピック、小さなイヤホン等が収納可能(外寸: 幅約82mm、高さ約28mm、奥行き約46mm)と記載されており、実際に使いたいと思えるクオリティのケースです。ケースを開けると写真のように専用イヤーピースに銀色のフェーズプラグがセットされた状態で収められています。私はMサイズを選びました。LIZER LABのHPによると、サイズが合わない時は交換してくれるとのことです。このイヤーピースは通常のイヤーピース以上に耳へのフィッティングが重要で、かつ非常に高価なので、こういった配慮をしていただけると安心して購入できると思いました。


JIJU-JET,LIZER LAB
宝石のように丁寧に収められている


 イヤーピースを取り出してみます。既にご存知の方もいると思いますが、JIJUシリーズは通常のイヤーピースとは装着の向きが違います写真のように真逆に装着するのです。普通のイヤーピースは外耳道に密着するように、いわば耳栓のように装着するのですが、JIJUシリーズは、耳の中に小さな音響ルームを作る様に装着します。上記にてサイズが合わない時はサイズ交換してくれると記載しましたが、購入前にSonyなどの標準的なイヤーピースを逆にしてフィット感を確かめてから購入すれば、交換などの余計な手間が省けると思います。

 

フェーズプラグの先端が少し飛び出します


 ちょっとイヤーピースを観察してみましょう。JIJU-JETには写真のように非常に小さい穴が一か所開いていますこの穴がイヤーピース装着時に前を向くように装着するのがポイントになるとのことです。丁度、耳の穴の前に膨らんだところがあると思いますが、そこに穴が向く感じです。ちなみに、この耳の膨らみのことを耳珠というそうです。JIJU=耳珠なのですね。この耳珠が果たす様々な役割について、本田学 1985 耳珠のはたらき 耳鼻臨床, 78:増1 789-801.によると、耳珠の役割の一つとして方向知覚があるとのとのことで、恐らくJIJU-JETはそのあたりを考慮した設計になっているのだと思います。


このピンホールが頭外定位を生み出す


 難しい話は置いておいて、イヤーピースを裏返してみるとこのようになっています。先ほどのピンホールの裏側、イヤーピースのステム部分にはこのような穴が開いていて、フェーズプラグの穴がそこに合わせてセットしてあります。フェーズプラグを取り出してみましょう。フェーズプラグには4か所ほど穴が開いていています。この小さな金属部品に穴を開けるのはかなり大変そうです。しかも4つの穴の内一つだけ少し大きな穴になっています。この大きな穴を先ほどのイヤーピースの穴に合わせてセットするようです。このわずかな匙加減によって、イヤホンから耳に送られる音の流れをコントロールして頭外定位を生み出しているようです。

イヤーピースとフェーズプラグの穴の向きがポイント


 では実際にイヤホンにセットして聴いてみます。使用機材はいつも通りHuaweiのP30Proで、接続はエレコムのDAC内蔵USB-3.5㎜変換ケーブルAD-C35SDBK、イヤホンはゼンハイザーのIE40PROとFenderのTEN3を使用しました。LIZER LABの三瓶氏によると音源はクラシックがおススメとのことだったため、三瓶氏よりクラシック楽曲を数曲推薦していただき(実はポップス、ロックも推薦曲がありました)、その中からBeethoven: Triple Concerto / Maisky - Videnoff - Mannheimer Philharmoniker を選んで聴き込んでみました(*´▽`*)ベートーヴェン♬


写真で下向きの穴が一番大きな穴


 まずはゼンハイザーのIE40PROにゼンハイザー純正シリコンイヤーピースで試聴してみます。「良い音です♪」三瓶氏セレクションの音源が非常に臨場感溢れる音質で、頭外定位、頭内定位云々の前に思わず聴きいってしまいました(笑)。IE40PROはシングルダイナミックドライバーであまり音場が広くないイヤホンなのですが、十分に臨場感あふれる演奏を堪能できます。次にイヤーピースをJIJU-JETに変更して試聴してみます。普段とは真逆の向きでイヤーピースを着けた段階で、この装着方法で本当に大丈夫なのか不安になりました。私は、カナル型イヤホンをかなりぴっちり装着するタイプなので、JIJU-JETは耳元が非常にすっきりしていて落ち着かない感じです(笑)。しかもJIJU-JETは外音がかなり聞こえます。とりあえず、曲を再生してみましょう。さっきとかなり違います。音が自然なのです。いつもカナル型に慣れ過ぎていて違和感を感じていなかったのですが、カナル型は特に低音域が頭の中に飛び込んでくるような鳴り方をします。低音を奏でるチェロやピアノの低音域が時にガツンっと鳴っていたのがJIJU-JETは自然に耳に届きます。低音域が抜けてしまうのではないかと思っていたのですが、低音域も十分に鳴っていて、むしろ繊細なニュアンスが感じやすいくらいかもしれません。バイオリンの音はある種の空気感を感じ、まさに響いていると言った印象を受けました。ピアノも十分に美しいです。あえて言うならば、ピアノはもうほんの少し中低音が欲しい気がしました肝心の定位感ですが、通常のシリコンイヤーピースとは全く違います。IE40PROはタイトな音場のイヤホンですが、JIJUを使うと、ある種の開放型イヤホンのような爽快感ある響きに変わり、音が頭の中で鳴る感じはかなり少なくなります。目を閉じて聴き込むと、やや前方から音がなっている印象ですが、どちらかと言えば心地良く包み込まれる感じが近いと思いました。


IE40PROにJIJU-JETを装着


 続いて、Fender TEN3で聴いてみます。最初はIE40PROだけで試すつもりだったのですが、もう少し音場の広いイヤホンで試してみたくなったのです。Fenderと言えばロックのためのイヤホンのような印象ですが、TEN3は結構フラットな味付けなのでクラシックとの相性は悪くないと思います。まずはFenderイヤホンに標準で付属している熱可塑性エラストマー樹脂製のSureSealを使用してみます。流石TEN3やはり良いイヤホンです。非常に良い音でクラシックにもばっちりです。そして本日の主役、JIJU-JETに交換して聴いてみます。ここで問題が発生しました、TEN3はハウジングが大柄で、かつノズルの形状も長いのでJIJU-JETとの相性があまりよくないようです。JIJUシリーズは通常のイヤーピースよりも、イヤホンの位置が耳の外側になってしまうため、大柄なイヤホンやTWSなどとは相性が良くないかもしれません。しかし、今回は幸いなことに大人しく座って試聴する分にはイヤホンが耳から外れることはなかったので、そのまま試聴を再開しました。楽曲が流れ出すと、これは素晴らしいの一言でよいと思います。IE40PROで試聴した時に、JIJU-JETは低音域と高音域が少し減ってしまう印象があったのですが、TEN3の場合は非常にバランスよく鳴ってくれますIE40PROの時よりも二回りくらい大きな空間で演奏されているような感じで、非常に気持ちよく聴けます。三瓶氏の目指した世界がどのようなものなのかは正確にはわかりませんが、ちょっとしたプライベートコンサートホールにいるような音場を感じます(言い過ぎですか(笑))。単純に音場が広い狭いと言うよりも、頭の中で音がしない(頭外定位)ため、音がすっきりと自然に聴けると思いました。また、耳の中が圧迫されない軽い着け心地なので、慣れてくるといつものカナル型イヤホンよりも快適に音楽を楽しむことができました。


もはやプライベートコンサートホール(*´▽`*)


終わりに

 本日は群馬県に本拠を置くLIZER LABの世界初の頭外定位イヤーピースJIJU-JETを紹介させていただきました。JIJU-JETは多くのイヤーピースが開発のポイントにしている音質や着け心地ではなく、頭外定位といういわば、自然な音場に着目して開発されたイヤーピースでした。純国産とのことで、イヤーピースもフェーズプラグも非常に丁寧な仕上げでした。あの小さなフェーズプラグに小さな穴を開け、かつバリがない仕上げとなると、かなりコストがかかっていることが想像できます。


本当に綺麗な仕上げです(^^♪


 今回JIJU-JETを使用してみて面白いなと思ったのは、TEN3よりもIE40PROの方が頭外定位感をわかりやすく感じたことでした。JIJU-JETを使用すると、IE40PROとTEN3どちらのイヤホンでも頭外定位を感じるのですが、元から音場が広いTEN3よりも、タイトな音場のIE40PROの方が変化が大きくてわかりやすかったのかもしれません。しかし、私の装着が上手くいっていなかった可能性もあるので、もう少し検証してみたいと思っています。また、本編では触れませんでしたが、思いのほかロックやJPOP、アニソンでも悪くないと思いました。頭の中でズンズンくるビートが欲しい人には向いていないと思いますが、音の響きが自然で侵襲的ではないため、ゆったりとリスニングしたい人には悪くないと思いますし、外音も結構聞こえるので家の中で使う分には中々便利な気がしました(宅急便が来てもわかります(笑))。


 JIJU-JETは非常に面白いイヤーピースだったのですが、いくつか気になる点もありました。まず一つはイヤホンとの相性があるということです。これはLIZER LABのHPにも記載がありますが、イヤホンのステム径が5.5㎜以上でステムに返しが付いているタイプのイヤホンを使う必要があると言うことです。ShureやWestoneのようなステムが細いイヤホンはそのままでは装着できません。そして、ブログ内にも記載した通り、あまり大きなイヤホンや重いイヤホン、ステムが長いイヤホンだと装着が不安定になりやすいと思います。二つ目は、遮音性が低い点です。これはこのJIJU-JETの特性上避けられない点ですが、外の音が普通に聞こえますので、電車の中のような騒音が大きな場所では使い勝手が悪いです。いや、普通はそのような場所では使わないのかもしれませんが、できれば静かな自宅で使うことが望ましいと思います。静かな環境であっても図書館のように音漏れしてはいけない環境での使用はあまりおススメできないと思います。もっとも開放型ヘッドホンに比べるとはるかに音漏れしないので、小さめの音量なら使ってもOKだとは思います。最後はお値段です。研究を重ねて作られたイヤーピースだけにお値段が張るのは仕方がないと思いますが、1ペア3000円台は中々手が出しづらいかもしれません。


高級品(*´▽`*)

 最近、Twitter上でオーディオ関係の人とお話をする機会が増えて、また、様々な製品を提供していただくことも増えてきて色々と思うことがあります。私たちユーザー側は色々なロマンを求めてオーディオ製品を調べ、購入して、その感想をつぶやいたり、共有したりして楽しみ、酔狂な人間はブログにまとめたりします。時には期待と違った製品だったり、不良品に当たってしまったり、販売者とのトラブルに発展してしまうことなどもあります。中高生のオーディオファンもいるため、そのような若い世代がトラブルに巻き込まれてしまうのを見聞きすると非常に悲しい気持ちになります。時に心無い発言が出てしまうこともあると思いますが、それも無理がないことだと思います。


 逆に開発者やセラーの方とお話をする中で思うことも色々とあります多くの開発者の方は並々ならぬ情熱を注いで製品開発に取り組んでいると思います。とあるイヤホンセラーの方は、夜中にイヤホンを持ち出してリケーブルを色々と試していました。また、別の方はどのような形で製品がユーザーの元に届いたか、箱を開けてみた時はどんな感じだったかなどを非常に気にしていました。他にも、より良い音を求めて、様々な工夫を凝らして製品開発をしている方が沢山いるのだと思います。実は今回、LIZER LABの三瓶氏からは、フェーズプラグの開発初期の試作品を同封していただきました。三瓶氏曰く、開口径がわずかに狭く納得のいかない音だったとのことです。このコンマ数ミリに情熱を注いでこの小さなイヤーピースを開発したのだと思うと本当に頭が下がる思いです。そんな中で色々思いを巡らせていくと、結局ユーザーも開発者も根っこ部分は非常に似ているのかと思いました。ちょっと脱線でしたが、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。




左が試作品。右が製品版。ここに情熱を感じます。

追記:Twitterでのプレゼントに関する追記です。頭外定位イヤーピースJIJU-JETの記事を執筆後、LIZER LABの三瓶様から、JIJUのオリジナルを3サイズ(SML)いただきました。当ブログでご紹介させていただいた通り、JIJUの真価を発揮するためにはピッタリとフィットするサイズを選ぶ必要があります。そこで、今回、私三流心理カウンセラーのサイズに合わないイヤーピースをTwitterのFF様にプレゼントしても良いか、三瓶様にお問い合わせしたところ、ご快諾していただき、更にプレゼント用にSMLを1サイズずつご用意いしてくださいました。おまけにLIZER LAB特製のタッチペン付きボールペンまでプレゼント用にご用意してくださいました。

 そんなわけで、今回のプレゼント応募要領です。まずは@lizerlabと私@bocchi33をフォローしてください。そして、当ブログのLIZER LAB様のリンクをクリックして、ご自身にピッタリくるJIJUのサイズをご確認ください。そこで確認できた適正サイズを私のTwitter応募フォームにリプして&ReTWEETをお願いいたします。おまけで私のトップページにあるYouTubeチャンネルリンクからチャンネル登録をしていただけると凄く嬉しいです(こちらは当選率とは関係ありません(;^_^A)。オーディオファンの三瓶氏が情熱を燃やして開発した素晴らしいイヤーピースを是非とも体感していただけると嬉しいです。気軽に応募してください。もちろん、幸運にもご当選された方はTwitterや、お持ちであればブログにて、サクラではないガチレビューをいただければと思います(文字数は自由です)。FF様は耳が肥えた方が多いので楽しみにしています。そのインプレッションが、きっとLIZER LABの今後の開発に活かされると思います。日本のオーディオ製品の面白さを世界に発信しましょう!!どうぞよろしくお願いいたします(*´▽`*)





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