【NICEHCK Lofty レビュー】話題のベリリウム振動板を搭載したオーディオファン期待の一本を聴き込んでみました

 

NICEHCK,Lofty,レビュー,ベリリウム振動板,リケーブル
ピュアなベリリウム(*´▽`*)🍀✨
(写真のケーブルはJSHiFi ZB8)

はじめに

 みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)🍀✨本日はNICEHCK社よりご提供いただいた「Lofty」についてレビューしていきます。「Lofty」NICEHCK社の新たなフラッグシップモデルとして登場したIEMです。ご存知の方もいるとは思いますが、Twitterでも発売前から色々な意味で話題になっていた製品です(謎)話題になった大きなポイントはダイナミックドライバー(以下、DD)の材質に希少なピュアベリリウムを採用した点です。ピュアベリリウムを採用したイヤホンはオーディオファンからの評価が非常に高く、かつお値段も非常に高いことが多いようです。ピュアベリリウムを採用した代表的なイヤホンとしてはfinal社の「A8000」やDUNO社の「LUNA」が有名なようです(筆者はどちらも未聴です)。


NICEHCKのフラッグシップとして登場♬

 そもそも、ピュアベリリウムとはどのような素材なのでしょうか?ベリリウムは、いわゆる「レアメタル」に分類される金属で、実際にイヤホンの振動板として使われる時にはベリリウム銅合金として使用されることが多いようです。ベリリウムは比重が軽く、薄さと軽さを両立できるためDDの振動板に求められる理想的な性質を持っている素材の一つだと言われています。現時点で分かっていることは、ベリリウムは希少な金属でかつ、加工し辛く、また毒性がある等様々な特徴を持った素材だということです。そして、ピュアベリリウム振動板という響きには、オーディオファンを引き付ける何か魔力のようなものがある気がします。そんなピュアベリリウム振動板を搭載した「Lofty」がオーディオファンから注目されたのは、ある意味必然的なことだと思います。


注目されるのが必然だった一本(^_-)-☆


 「Lofty」はイヤホン片側に10.1㎜のDDを一機搭載したシングルDDイヤホンです。Amazonの販売ページによると、イヤホン筐体はアルミニウム合金製で人間工学に基づいた立体的ないわゆるイヤモニ形状をしています。Amazonでの販売価格おおよそ30Kなので、一般的にはかなり高価なイヤホンと言って良いと思いますが、前述したfinal「A8000」DUNO「LUNA」などに比べると(どちらも新品で約200K‼)、ピュアベリリウム振動板搭載イヤホンとしては信じられないくらいリーズナブルな価格設定だと言えます。そんなNICEHCK社の「Lofty」のサウンドを簡単に説明すると「フラットなチューニングながらも歯切れのよいメリハリやスピードを感じる出音で、中音域のヴォーカル帯域に美しさを感じる」音作りです。詳しくはいつものようにこれからじっくりとレビューしていきたいと思います。本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします。


6Nケーブルとマグネットタイプのケーブルバンド。


使ってみた

 まずはパッケージから見ていきましょう。そこそこ大き目の箱で、パッケージの表に大きく「Lofty」の写真がプリントされています。化粧箱を外すと中から黒い箱が出てきます。パカっと開けると、ケーブルに接続された状態のイヤホン本体とネイビー色のPUレザー製のキャリングケースが出てきます。パッケージは全体的に高級感があって非常にきれいです。まずは付属品をチェックしてきます。イヤーピースは2種類付属しています。一種類は白いサラッとした傘にパステルカラーの軸で成型されたNICEHCK社の07イヤーピースのようです(S,M-,M,Lの4サイズ)。もう一種類どこかで見かけたタイプ(謎)のシリコン製のイヤーピースで(S,M,L)、NICEHCK 07イヤーピースよりもしっとりとしたタッチのイヤーピースです。ケーブルは非常に高級な6N単結晶銅を使用した編み込みタイプのケーブルで布巻仕上げになっています。色合いが綺麗なネイビー色の布巻仕上げなので、とても高級感があります。プラグは購入時に2.5㎜、3.5㎜、4.4㎜を選ぶようになっていて、私は3.5㎜のアンバランス接続用のケーブルを選びました。コネクタは0.78㎜ピッチのいわゆる中華2pin仕様なので、様々なメーカーのケーブルにリケーブルしやすいと思います。


左:NICEHCK 07 右:謎のS社風


 ネイビーカラーのキャリングケースは色合いがとても綺麗で、宝石箱のようにパカっと開くタイプです。ケース内部にも上品なパープル系のファブリックが貼られていてとても綺麗な仕上げになっています。最近の中華イヤホンの付属品は本当に品質が高いと思います。もちろん変な匂いやべたつきなどはありません(笑)また、サイズ感が絶妙で、ボリュームのある純正ケーブルにイヤホンをセットした状態でもきちんとケース内に収まるように設計されていました。余談ですが、イヤホンをボリュームがあるケーブルにセットした場合、時々蓋が閉まらないケースがあります。「Lofty」は純正ケーブルがかなり太目なので、しっかりと収まるケースが付属していて良かったです。


ケースの色合いはとても綺麗です✨

 イヤホン本体を見ていきましょう。カラーはグレーとローズゴールドの二種類で、私はグレー(というかシルバー)を選びましたが、Twitterで写真を見た感じだとローズゴールドも上品な色合いでとても綺麗に見えました。ここだけの話、ローズゴールドにしたら良かったかなぁと後悔したのは秘密です(笑)イヤホン筐体はフェイスプレートと本体部分とノズルの3つのパーツから構成されています。アルミ製のイヤホン筐体はすべすべで人間工学に基づいて成型された、いわゆるエルゴノミック形状タイプですが、緩やかな立体感なので多くの方の耳にフィットしやすそうです。


ベント孔はノズルとピンの横です。

 ベント孔はノズルに近い耳に当たる部分とケーブルコネクタの近くにあります。この二つの穴で、ピュアベリリウム製DDが最適なパフォーマンス発揮できるように調整されているようです。イヤーピースの出音口を指で塞いで音漏れをチェックしてみましたが、爆音で使用しない限り音漏れに関しては気にするほどではないと思います。フェイスプレート部分には白い文字で「Lofty」とプリントされています。フェイスプレートは波のような立体形状に仕上げられていて、見る角度によって半光沢のフェイスプレートに陰影が表れてとても綺麗な仕上げだと思います(船跡波形状と記載されています)。イヤホンノズルの部分は段差がはっきりとつけられたタイプですが、指で触っても手を切りそうな変なひっかかりは一切なく、とても丁寧に仕上げられています。耳という非常にデリケートな部分入れて使う製品なので、こういった細かい場所の仕上げに気配りができているのはとても良いことだと思います。


フェイスプレートの仕上げが綺麗です。


 ちなみに「Lofty」のスペックは以下のようになっています。

「Lofty」スペック

 インピーダンス:16Ω

 感度:108㏈/㎽

 周波数帯域:10~26,000Hz

 プラグ:2.5㎜、3.5㎜、4.4㎜

 コネクタ:0.78㎜2Pin


 さて、そろそろ実際に音を聴いていきたいと思います。使用機材はXiaomiのスマートフォンMi 11 lite5GにAudirect Atom2を使って接続して、Amazon Music HDでMISIAさんの「Everything」 をHDのストリーミングで聴いていきます。ちなみにMi lite 5GはOCNモバイルONEの月額利用料金無料のミュージックカウントフリーを使っています。ミュージックカウントフリーはストリーミングでHD音源を聴いても通信料が一切かからないOCNモバイルONEだけのサービスです。OCNモバイルONEの通信はDoCoMoの高速データ通信なので、電波が安定していてとても使いやすいです。ストリーミングでHD音源を使用する人は是非とも試してみてください。HD音源はデータ容量が大きいため、スマホ本体やSDカードにデータを入れるとストレージ容量が圧迫され気味になりやすいため、私は通勤電車の中はもちろん、ドライブの時もミュージックカウントフリーを使用しています。ちなみに往復2時間強の通勤電車の中でHD音源を中心にストリーミングで使用した時のデータ消費量は2GB超でした。毎日通勤でHD音源をストリーミングで使用すると一か月でかなりのデータを消費する計算ですね。そう考えるとミュージックカウントフリーのコスパは恐るべしと言ったところですね。




0:00~ 複数のストリングスとハープ(?)から楽曲が始まります。「Lofty」は中音域が非常に伸びやかでありながらも歯切れがよく、音の輪郭がすっきりとしていて不要な余韻がないためそれぞれの楽器の響きが非常に心地良いです。


0:25~ Aメロが始まります。幻想的な電子ピアノの伴奏の中で、MISIAさんの歌声が非常に綺麗に表現されます。「Lofty」はヴォーカルの繊細な部分が電子ピアノに埋もれず、歌声をかなり綺麗に聴かせてくれるようです。



0:54~ ベース、ギター、ドラムが合流してきます。右チャンネルからリアルなアコースティックギターのサウンド、音場の真ん中にベース、そして、ドラムは少し控えめにリズムを刻みます。アコースティックギターの音は非常に立体的に聞こえます。ベースは重さがありながらも上品で低音がぼわつきません。バスドラムやハイハットシンバルのサウンドも良い感じです。解像度の高さは価格相応に優れている印象です。


1:48~ ミディアムテンポのドラムのフィルインから、徐々に楽曲が盛り上がっていきます。思わずハッとさせられるようなギターのカッティング、静かに場を盛り上げるストリングスの響きが全体をまとめてくれます。楽器の音の強弱に関しても、小さいな音から大きな音まで表現の幅がきめ細かくかつ広くて、わざとらしい演出感がない仕上がりです。音の割れや歪みが少ないナチュラルな響きだと思います。


2:03~ サビに入り伸びやかなヴォーカル、ドラマチックなピアノとストリングスの伴奏、ギターやベース、ドラムのバンド隊のサウンドもそれぞれが過不足無く美しいです。どの帯域にも痩せた感じが無く、フラット系のサウンドながらきちんと分離感を感じます。音の滑らかな感じが、以前にレビューしたUniqueMelody社の「3D Terminator」に少し似ているような気がします。それでいて、「Lofty」はもっと出音に瞬発力を感じます。じっくりと聴き込んでいく中で、エージングが進んだのかもしれませんが、もしかすると「Lofty」は高音域の鳴りが極端に少ないわけでないのかもしれません。「Lofty」は中音域の表現力が豊かで、いわゆるベリリウム振動板のイメージである高音域が目立たないのだと思います。「Lofty」は、私たちオーディオファンがベリリウム振動板に求めるソレとは少し印象が違うのかもしれませんが、上質で豊かな響きを持っていて大人な雰囲気の楽曲との相性がとても良い気がしました。


ケーブルやアンプの音が素直に反映されるタイプかも。


終わりに

 本日はNICEHCKからリリースされたフラッグシップIEM「Lofty」についてレビューしていきました。「Lofty」はイヤホン片側に10.1㎜のピュアベリリウム製のDDを一機搭載したシングルDDイヤホンで、「フラットなチューニングながらも歯切れのよいメリハリやスピードを感じる出音で、中音域のヴォーカル帯域に美しさを感じる」イヤホンでした。音の歪感や無駄な残響がない歯切れのよい音作りなので、多くの音がひしめきあうような楽曲でも一音一音を聴きとることができ、ヴォーカルは生歌感を、アコースティックギターやピアノのような楽器は空気が震える感じまで表現することができるようなポテンシャルを秘めていると思います。大人な雰囲気の楽曲との相性が良いと前述しましたが、ロックなサウンドとの相性も非常によく、例えばL'Arc-en-Cieの「READY STEADY GO」のようなスピード感溢れる楽曲では更に疾走感を感じるような気がします(気のせいですかね(笑))。


TinHiFi T5付属のケブラーコンポジットケーブルと
合わせてみると高音域のヌケとスピード感がアップ

 今回、Twitterで「ピュアベリリウム振動板の音のイメージについて」アンケートを取ってみました。アンケート結果は以下のような感じになりました。

【ピュアベリリウム振動板の音のイメージについて教えてください】回答総数121票

綺麗な高音域 66%

豊かな中音域 13%

沈み込むような低音域 10%

その他 11


 ある意味思っていた通りの結果が出たのですが、半数以上66%ものユーザーがベリリウム振動板を採用したイヤホンに「綺麗な高音域」のイメージを持っていることがわかりました。これは言い換えれると「オーディオファンはピュアベリリウム振動板を採用したイヤホンに綺麗な高音域を期待している」と解釈しても良いと思います。また、「バキバキの解像度と高域」「真水のような音色」「付帯音のない、ソリッドな音」「音の立ち上がりから消えるまで非常にあっさりと、しかも早い」などのコメントもいただきました。そのあたりから考えると「Lofty」は多くのユーザーがベリリウム振動板搭載機に期待する「綺麗な高音域」や「高解像度」というキャラクターとは少し違うかもしれませんが、ベリリウム振動板らしい音の立ち上がりの速さや澄み渡るようなソリッドな音質を備えたイヤホンだと思います。


ユーザーが期待した音とは少し違ったのかも☆彡


 少し話は変わりますが、NICEHCKではユーザーの期待に沿うために、Twitter(@hckexin)で以下のような内容を発信しています。

・7/8(木)「Lofty」がエージングされた後、音質が良くなったとのユーザーの声を元に、次のロットから工場で100時間エージングを行ってから出荷するとの発表。

・7/19(月)NICEHCK:「高域強化する新ケーブル」をご提供することにしました。Loftyイヤホンのお客様に、送料と倉庫出荷担当の人件費だけを払っていただければ、新しいケーブルを手に入れることができますとTwitter内で表明。

 既に出荷された製品に対しても、このような対応をするNICEHCKの姿勢はとても素晴らしいと思います。私も一人のオーディオファンとしてNICEHCKを応援したい気持ちになりました。既に「Lofty」を購入した方は、どのようなケーブルが手元に届くか楽しみですね。


HB2にセットすれば超高音質TWSに変身(^_-)-☆

 ちょっと番外編ですが、今回NICEHCK社から「Lofty」と一緒にBluetoothモジュールの「HB2」を送っていただきました。「HB2」はSBC、AAC、aptXに対応したBluetoothモジュールで、Qualcomm社のQCC3040を搭載していて(Bluetooth5.2)高い接続安定性があり、1.5時間の充電で連続13時間も使用できます。この「HB2」と「Lofty」の相性がかなり良い感じで、「Lofty」の持っている豊かで滑らかな中音域を殺さず、「Lofty」をしっかりとTWS化してくれました。今まで、数種類のTWSをレビューてきましたが、「Lofty」と「HB2」の組み合わせはぶっちぎりで高音質です。もっとも、お値段もぶっちぎりですが(笑)「HB2」Bluetoothモジュールの接続パーツを交換することで「Lofty」など多くのイヤホンに使える「0.78㎜ピッチの2pin」をはじめ「TFZ」「mmcx」にも対応できるようになっているので、かなりお勧め度が高い逸品だと思います。少し脱線してしまいましたが、今回はこの辺りで終わりたいと思います。本日も最後までご覧いただきありがとうございました(*´▽`*)🍀✨


色々楽しめる一本かも(*´▽`*)





コメント

人気の投稿