【TRN X7 レビュー】少し上級者向け!?アメジストのような輝きが美しい7BAイヤホン

TRN X7 レビュー BAイヤホン JSHiFi SKY リケーブル
アメジストのような輝き(*´▽`*)✨


はじめに

 みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)🍀✨本日はTRNの「X7」についてレビューしていきたいと思います。「X7」はイヤホン片側にバランスド・アーマチュア(以下BA)を7基搭載したイヤホンです。使用されているBAのメーカーは不明ですが、恐らく自社開発のBAだと思います。ちなみに今回レビューする「X7」はセラーからの提供品で付属品は市販のものと違うとのことです。実際に提供していただいた付属品を確認したところ、少々謎な組み合わせのケーブルがついていました(笑)レビュー用サンプルは写真のような組み合わせでしたが、製品版はちゃんとQDC端子ケーブルが付いてくるのでご安心ください(^_-)-☆


X7の端子はQDCなのに、付属ケーブル端子がTFZ(笑)


 話は変わりますが、TRNの「X7」はイヤホン片側に7基ものBAを搭載したいわゆるマルチBA機で、7つものBAを搭載しているにも関わらずお買い得感を感じる価格設定で、しかもイヤホン筐体の美しさやBAをきちんと音導管で繋ぐなどした緻密な設計であったため、発売前から結構注目されていた製品でした。しかし、いざ発売されてみると評価にかなりばらつきが出てしまった一本で、実は私も製品が手元に来た時のファーストインプレッションは「・・・(*´▽`*)?」という感じのものでした。なんとも音が籠っていて、音の分離感が悪く「これ、レビューして大丈夫?」みたいな感じだったのです


拡大して眺めてください。本当に綺麗な造りですよ♪


 そんな「微妙な印象」から始まった「X7」との出会いは色々と試していく中で「どんどん変わっていきました」。今回はそのあたりも含めつつレビューしていこうと思います。ちなみに最近カラーバリエーションが増えて、今回私が使用しているパープルに加えて、ブラックが追加されています。どちらも透き通った樹脂製の筐体で、ビルドクオリティはとても良いと思います。そんなわけで(どんなわけやねん)、本日も最後までよろしくお願いいたします。


手間暇かかりそうな仕事をしています♬


使ってみた

 いつものようにパッケージから見ていきましょう。白い箱に黒で「X7」の筐体が描かれています。個人的には結構お洒落な箱だと思います。こんな感じで思わず飾ってしまいました。白いのは外箱で、外箱をスライドさせて外すと中からイヤホンや付属品が収められた黒い箱が出てきます。前述したように付属品は製品版と違うので参考程度に読み飛ばしてください。こちらのサンプル版に付属しているケーブルが曲者で、「X7」はケーブルコネクタ―がQDCにも関わらず付属ケーブルがTFZ 2pinになっています(笑)これはどうやら試供品版のみの特別仕様とのことで、実際の製品版にはピッタリフィットするQDCケーブルが付属しているとのことです。まぁ、ご愛嬌と言うことでサラッと流しておきましょう。


このパッケージ好きです(*´▽`*)


 付属ケースは最近チラホラ見かける丸型のハードケース(アルミ製?)で、イヤホンを持ち運ぶ際にデリケートな筐体やケーブルをがっちりと保護できるタイプです。満員電車でカバンが激しく押しつぶされても、イヤホン本体やケーブルにダメージが及ぶことはほぼないと思うので、イヤホンを安心して持ち運ぶことができるのではないでしょうか。イヤーピースも製品版と同じものかはわかりませんが、こんな感じで紙製のイヤーピースホルダーにセットされているシリコン製のものが2種類とウレタン製のものが1ペアでした。


少しボリュームあるケーブルでもきちんと収納できます。

付属品はこんな感じでイヤーピースがいっぱいでした。

 イヤホン筐体をじっくりと見ていきましょう。透明感のある樹脂製の筐体の中にBAが綺麗に配置され、小さなBA一つ一つに音導管が接続されていて、ノズルの方まで丁寧に繋がれています。イヤホン筐体は2ピース構造で、イヤホン本体とフェイスプレートで出来ているようです。フェイスプレートは細かいラメが混ぜ込まれたマーブル模様でとても綺麗です。そして、イヤホンの本体側は樹脂の一体成型で(多分)中まで樹脂が充填された構造になっているようです。この構造は実物を見ると本当に綺麗で、思わず眺めてしまうほどの出来栄えだと思います。


ついつい眺めてしまいます(*'▽')


 イヤーピースは最近愛用している「SpinFit CP1025」をセットして、ケーブルは手元にあった適当な銀メッキケーブルをセットして聴いてみることにします。耳にイヤホンをセットすると、素晴らしいフィット感です。これはあくまでも個人的なインプレッションですが、今まで使用してきたイヤホンの中で1、2を争うレベルで耳にフィットします。耳に吸盤のように完璧にフィットする感じで遮音性が抜群に高いです「X7」は完全にBAのみのイヤホンで、イヤホン筐体にベント孔がないのも遮音性の高さに貢献していると思います


フィット感と遮音性がとても高いです。


 まずはここ最近のレビュー機材、Xiomi Mi11 Lite 5GAudirect Atom2をセットして聴いてみました。「・・・(*´▽`*)?」微妙です。なんだか低音が強く、音が籠っていてヴォーカル帯域がイマイチです。高音域も何だか中途半端で何とも不思議なサウンドに感じてしまいました。ネットでの評判が結構割れているので、ちょっと心配していたのですが第一印象は結構しっかり悪い方向に傾きました(・_・;)


 普段イヤホンを使う時にエージングはあまりしないのですが、この状態で半日ほど鳴らし続けてみたところ、結構音が変わっているように感じます。全体的にぼやけているように感じたサウンドは第一印象よりも引き締まっています。BAはエージングをしても変わらないと聞いたことがありますが、ちょっと気のせいとは言い難いレベルで変わっているように思いました。その後、丸一日、鳴らし続けてみたところ結構いい感じになっていました。BAらしい滑らかなサウンドで、全体的にいわゆる暖色系のサウンドに落ち着いてきたような気がします。


セッティングを試行錯誤しました(・。・;


 しかし、メーカーが公表している曲線とは大分違う音質です。メーカーの曲線は高音域が強いような感じなのですが、明らかに低音重視のチューニングに聴こえます。実際にシンバルやウインドチャイムのような音は全然前に出てこなくて、バスドラムやベースの低音に深みを感じる仕上がりです。悪くないのですが、なんとなく期待していたサウンドではありません。アンプを加えると鳴りが変わるかもしれないと思って、FiiO Q3につないでみましたがおおまかなサウンド傾向は変わりません。


AmazonのHiFiGoの販売ページより


 イヤホン単体で見るとフィット感は非常に良いし、音も特別に悪いわけでもないのですが・・・なんだかモヤモヤします。そんな煮え切らない「X7」のサウンドは機材変更によって大きく雰囲気が変わりました機材をXiaomi Mi11 5GからASUSのZenfone8に変えてDACをAudirect BEAM2SE-21に変更したのです(Zenfone8はOCNモバイルのセールでチャットクーポンを使用すると5万円以下で入手できるかもしれません(^_-)-☆)。この機材変更によって、「X7」のサウンドは一気に切れ味が出るようになりました。音場は元からそこそこ横方向の広さを感じていたのですが、音がクリアーになったおかげで、定位感がしっかりしてサウンドに奥行きが出るようになりました。機材の変更でここまで変わるとは思いませんでした。私は少しだけギターを弾くのですが、エレキギターの場合もギターと機材との相性で音がガラッと変わると言うことがあります。こんな視点から見ると、イヤホンも何だか楽器みたいな要素がありますね


では、ちょっと実際に楽曲を聴いていきましょう。機材はASUSのZenfone8(オーディオウィザードはシネマモード)、DACはAudirect BEAM2SE-21(設定はハイゲイン)、イヤーピースはSpinFit CP100+にしました。音源はAmazon Music UnlimitedでLiSAの「明け星」を聴いていきます。 

0:00~ 少し遠くでディストーションがかかったエレキギターが鳴っていたかと思うと弾けるように曲がスタートします。エッジの効いたエレキギターのサウンドに、ヘビーなベース、スリリングで少しオリエンタル雰囲気のストリングス(キーボード)サウンド、ゴリゴリの音作りの中で、ヴォーカルがくっきりと浮き上がります。シンバルのサウンドは金属感がありつつ、ドラムは下支え感が強い音量バランスです。「X7」はヴォーカルがくっきりろ前に出てきます。


0:22~ キラキラとした金物が鳴っています(楽器名不明(笑))。はじめてつかった時ののっぺりとしたサウンドとは全く別物です。「X7」は機材を変えたら化け過ぎです(・_・;)


0:32~ 一瞬ギターのヴォリューム奏法のようにも聞こえるストリングスが入ってきます。響きに深みがあって、きちんと鳴っている印象です。


0:42~ サビに入ります。「X7」は楽曲全般を通してヴォーカルが一番前に来ます。伸びやかな中高音域のストリングスサウンドが心地良いです。音が滑らかで低音域から高音域まで音割れが無いチューニングがとてもBAらしく感じました。



終わりに

 本日はTRNの「X7」についてレビューしていきました。「X7」はイヤホン片側に自社開発のBAを7基も搭載したマルチBAイヤホンで、機材によってかなり表情を変える面白いイヤホンでした。今回使用した「X7」は正式販売品と付属品が違うため製品版との単純な比較はできないかもしれませんが、イヤホン本体については製品版と全く同じものだと伺っているので、おそらく製品版でも癖があるイヤホンだと感じる人がいると思います。もっとも、それは癖というよりもユーザーがイヤホンの味付けを好むか好まないかという「好みの問題」と考えることもできますが


ポテンシャルが高いので鳴らし方を色々と試すのが面白いかも♬


 メーカーが公表している曲線は低音域よりも高音域にピークを感じそうな弱ドンシャリ傾向に見えますが、実際のサウンドの印象は低音域から中音域の鳴り方が強く、特にヴォーカルが前面に出てくるような印象でした。チューニングバランスから言えば、いわゆる「かまぼこ型」と言えばよいのでしょうか。そんなわけで、事前に知っていた情報と、実際に聴いたサウンドのギャップから当初は違和感を感じてしまいました。カレーと思って食べたらハヤシライスだったみたいな違和感と言えばよいのでしょうか。いや、何か違うか(笑)この違和感に関しては、鳴らし込みを行うことでエージングが進んだのか、それとも自分の耳が先入観なしで音を聴けるようになったのかなんなのかはわかりませんが、結構楽しめるサウンドに変わってきました。

NICEHCKのH4-2ケーブルで高音域を強化するのもおススメかも♬

 じっくりと聴き込んでみると、「X7」はヴォーカルがかなり近めの設定です。楽曲や機材にもよると思いますが、最近聴いたイヤホンの中ではヴォーカルが一番近くで聴こえます低音域は深みが出るタイプの鳴り方で、機材によっては低音過多な鳴り方になってしまうようなので、個人的には低音域の分離感が良い機材との相性が良さそうな気がします。この辺りはあくまでも好みだと思いますが、手持ちの機材で低音域が強すぎると感じる方はイコライザーなどで低音域をややカットした方が自然な鳴り方になるかもしれません。今回、私はASUSのZenfone8にAudirect BEAM2SE-21を接続してAmazonミュージックHDを試聴しましたZenfone8をお持ちの方は画面上部をスワイプでメニューを開き、更に右にメニューをスワイプするとオーディオウィザードメニューを見つけることができると思います。オーディオウィザードメニューではプリセットで4種類ほどのイコライザーが選べます。音抜けをおもいっきりよくしたい方は、オーディオウィザードでモードをシネマにしてみてください。ちょっと別なイヤホンみたいになります(笑)もちろん通常のイコライザー機能で、周波数帯域毎にバランス調整もできます。こういった調整は邪道なのかもしれませんが、「X7」は少し音抜けを良くしてあげると、びっくりするくらいにハイレベルなサウンドに化ける一本でした。みなさんも手に入れたイヤホンのサウンドが何となくアレだなぁと思った時は、思い切ってイコライザーを使ってみるのもいいかもしれません。ダメだと思っていたそのイヤホンは、実は優れたポテンシャルを秘めた素晴らしいイヤホンなのかもしれません。エレキギターを演奏する人は良くわかると思いますが、少し機材のセッティングを変えるだけで楽器は別物のサウンドを奏でてくれます。「X7」はある程度、自分でイヤホンのポテンシャルを引き出すことに関心があるユーザーにお勧めできる一本だと思いました。そんなわけで、本日も最後までご覧いただきありがとうございました(*´▽`*)


セッティングが決まると無事良音になりました(*´▽`*)




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