【TinHiFi T3 Plus レビュー】上品な低音域を中心に各音域がフラットなバランスで調和した心地よいサウンド
T3 PlusとNICEHCK H4-2の組み合わせはおススメ(*´▽`*)👍🍀✨ |
はじめに
みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´∇`*)🍀✨本日はTinHiFiから新しくリリースされたイヤホン「T3 Plus」についてレビューしていきたいと思います。「T3 Plus」はイヤホン片側に10㎜のダイナミックドライバー(以下、DD)を一基搭載した、いわゆるシングルDD機です。個人的に1万円前後のシングルDD機は、メーカーが(一般ユーザー向けではなく)オーディオファンに向けて企画した、いわば名刺のような位置付けの製品だと思っています。そんな「T3 Plus」に搭載されているDDは、アマゾンなどの販売ページを見ると液晶ポリマー(LCP)ダイアフラムと記載されています。液晶ポリマーについて少し調べてみたところ、液晶ポリマー(樹脂)は分子間の結合が強く安定しており、高い剛性と弾性を持った材質とのことでした。詳しくはわかりませんが、液晶ポリマー樹脂はイヤホンダイアフラムとの相性が良さそうな素材のようですね。余談ですが、以前にレビューした同社の「T5」は次世代のカーボンドライバーと言われているDOCという非常に剛性が高い素材で作られたダイアフラムを搭載したシングルDD機でした。
T5は現代的なハイファイサウンド |
TinHiFiのイヤホンは低音域の広がりを抑えることで様々な音域の楽器を余すことなく聞かせてくれるモニターライクなイヤホンの印象があります(個人の感想です(笑))。例えば以前にレビューした「T2 Evo」などはその傾向がわかりやすく、使用した人によって結構評価が分かれた一本でした。人によっては「低音域が足りない」「音が軽い」「高音域がやや刺さる」と言った印象を持ったようです。特に「T2 Evo」は古典的な太鼓型のイヤホン筐体で適切なフィッテイングをするのにややコツが必要だったため、そのあたりが評価が分かれた要因になった気がします。私も初めて「T2 Evo」を使った時はうまくフィッティングできず音の軽さを感じましたが、ウレタンフォームイヤーピースを使って、きちんとフィッティングしてあげると思いのほかタイトな低音が出ていて、タイトな低音域と非常にキレのある高音域の組み合わせが魅力的な一本だと思いました。
タイトな低音域と切れのある高音域が魅力のT2 Evo |
最近、当ブログで閲覧者数が2位になった「T5」などはやや広めの音場でヴォーカル、楽器それぞれ分離感がしっかりしていて、現代的な3Dサウンドとの相性が良いとても楽しめるチューニングバランスのイヤホンでした。今回レビューする「T3 Plus」は「T5」に比べると市場販売価格で大体4000円程度安いイヤホンです。どちらも最近人気がある、いわゆるアラウンド10Kクラス(つまり約1万円)のイヤホンですが、「T3 Plus」と「T5」は音の傾向がかなり違います。「T5」はカーボン系のダイアフラムらしいスピード感やキレを感じる現代的なサウンドで、低音域はTinHiFiらしくタイトで無駄な広がりが抑えられたチューニングバランスで仕上げられています。
T3は低音域に暖かみがあって聴き心地が良い |
一方「T3 Plus」はしっかりとした重みや暖かみがある低音域をベースに、TinHiFiらしいバランスの取れたサウンドで構築された一本に仕上がっていました。暖かみがある低音域と言うと、暖色系でダルなサウンドをイメージしてしまうかもしれませんが、そこはTinHiFiだけあって不必要な広がりを抑えた絶妙なチューニングバランスになっています。そんなTinHiFi「T3 Plus」のサウンドを簡潔に表すと「上品で深みのある低音域を中心に各音域が程よいフラットなバランスで調和した心地よいサウンド」です。詳しくはこのあとじっくりと見ていきたいと思います。本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします。
使ってみた
まずはパッケージから見ていきましょう。パッケージはTinHiFiらしい清潔感がある白い化粧箱です。化粧箱には銀色でTinHiFiのロゴが箔押しされています。化粧箱を開けると、中からはグレーのギフトBOX風の箱が出てきます。蓋を開けると箱の内部はベロア調の内張が貼られた豪華な造りです。付属品は写真のようにTinHiFiのロゴが入ったキャリーバッグ、シリコン製のイヤーピースが2種類(S,M,Lサイズ)、鮮やかなターコイズブルーのウレタン製イヤーピースが1セット(Mサイズ)、ケーブルです。キャリーバッグは布製のシンプルなタイプで、自宅でのイヤホン保管時にイヤホンを傷かないように保管でき、かつハードケースタイプと違ってかさばらないのが良いところです。日々満員電車で移動するような生活をしている方はハードケースが付属している方が嬉しいかもしれませんね。ちなみにケーブルはT5と同様の4芯無酸素銅とケブラーの撚線構造のハイクオリティケーブルです。
ギフト風のBOXを開封すると・・・ |
サテンのリボンで止められたサンクスカードと・・・ |
綺麗な輝きのイヤホンが出てきます |
2種類のシリコン製イヤーピースの形状は似ていますが、素材感や軸の太さが違います。赤い軸の方は傘の素材感にハリがあって固めで、軸の外径と内径が約5.7㎜と3.5㎜、長さが8㎜程度です。軸が黒い方は傘の素材感が柔らかめで、軸の外径が内径が約6.3㎜と4.0㎜、長さは同じく8mm程度です(Mサイズの場合です)。耳の良い方であれば素材の固さと内径の差から音質に違いを感じることができると思います。
付属品はこんな感じ |
シリコンイヤーピースは2種類それぞれ設計が違います |
イヤホン本体をじっくりと見ていきます。イヤホンは樹脂製でイヤホン筐体内部まで樹脂を充填したタイプの構造になっているようです。イヤホン本体、フェイスプレート、ノズルの3つから作られているのだと思いますが、イヤホン本体とフェイスプレートの間には一切隙間が無く非常に滑らかな仕上がりです。
艶やかで美しい仕上げだと思います |
分解したわけではないので詳しくはわかりませんが数万円の樹脂筐体イヤホンとほぼ同じような構造になっているように見えます。「T3 Plus」の価格帯を考えると非常に丁寧な造りだと思います。写真のようにベント孔は二か所です。実際に耳に装着してみると、高価格帯のイヤホンと同じようにかなりフィット感が高くて、それに伴って遮音性も高いです。もっとも、このあたりは耳の形によるところがあるので一概には言えないと思いますが、UniqueMelodyやTHIEAUDIOなどのイヤホン筐体が耳に合う方は好きな装着感だと思います。イヤホンコネクタ端子は0.78mmピッチのいわゆる中華2pinです。「T5」のようにイヤホン筐体にコネクタが入り込むタイプではないので、リケーブルの選択肢がとても広いと思います。
内部まで樹脂が充填されたタイプの筐体 |
端子は0.78㎜ピッチの2pin |
ちなみにスペックは以下のようになっています。
インピーダンス:32Ω±15%
感度:105±3dB
周波数応答範囲:10Hz〜20kHz
スペック的にスマートフォンでも十分に鳴らせますが、Audirect Beam3ProのようなUSB DACアンプでゲインを「中」くらいで使用してあげると、「T3 Plus」のポテンシャルをより引き出せると思います。
JSHiFi Shadowとの組み合わせも◎ |
そろそろ実際に音を聴いていきましょう。機材はASUS Zenfone8にAudirect Beam3Proを接続して、ケーブルは純正ケーブル、イヤーピースはSpinFit CP100+を使用しました。音源はAmazonプライムミュージックUnlimitedから✨優里さんの「レオ」をHD 16bit/44.1KHzで聴いていきます。レビューはAmazonプライムミュージックUnlimitedの音源を使いましたが、YouTubeのMVもすごくオススメです(ちょっと泣きそうになりました(;_;))。
0:00~ ピアノのイントロから楽曲スタートです。「T3 Plus」はドンシャリイヤホンだと音痩せを感じやすいピアノの右手側の高音フレーズの繊細なニュアンスまできっちりと鳴らしてくれます。左手の和音は中音域と低音域のバランスが良く、特定の音が目立たずナチュラルに聴こえます。
低音域から中音域がしっかりしているのが◎ |
0:14~ Aメロがスタートします。ヴォーカルの息遣いや歌声の深みが優しく耳に届きます。0:25~犬の鳴き声とともに、ベースが入ってきます。ベースは深く沈み込みを感じます。「T3 Plus」は低音の量感がしっかりあります。低音の質感は上品な深みがある鳴り方で、いわゆる「やりすぎな感じがない」ので、おそらく好きな方が多いと思います。ベースとバスドラムの優しく豊かな低音域を中心にピアノやギター、そしてハンドクラップのサウンドが絡みあいます。「T3 Plus」の音場は「T5」のように広い空間を感じるタイプではなく、普通からやや広いくらいの自然な音場です。
T5と音の違いを比較すると面白かったです。 |
0:48~ シンバルからサビに入ります。「T3 Plus」は、シンバルやアコースティックギターのような金属的なサウンドの表現も低音域と同じように上品です。チリチリと耳につくような金属感はないので、もっとエッジの効いたサウンドが好みの人は同社の「T5」を試してみると良いかもしれません。「T3 Plus」は優しく伸びやかな中高音域が魅力の優里さんの声質ととても相性が良い気がします。「T3 Plus」は低音域が強めのフラットバランスでありながら、適度な音場で音の分離感があります。心地よく響く上質な低音域を中心にまとまったサウンドは、リラックスして音楽を楽しみたい時にぴったりだと思います。逆に仕事前などに気持ちをあげていきたいときは、「T5」を使ってみるのがお勧めです。もしもTinHiFiのイヤホンを使ったことが無い方は是非とも「T3 Plus」と「T5」を試して欲しいです。両者ともの玄人好みのするTinHiFiの魅力を存分に味わえる出来栄えだと思います。
両者ともに甲乙つけがたい魅力があります✨ |
終わりに
本日はTinHiFiの「T3 Plus」についてレビューしていきました。「T3 Plus」はイヤホン片側に10㎜の液晶ポリマー製のダイヤフラムを一基搭載したシングルDD機でした。「T3 Plus」はメーカーの顔となる1万円前後の価格帯を担うイヤホンで、「T3 Plus」から奏でられる「上品で深みのある低音域を中心に各音域が程よいフラットなバランスで調和した心地よいサウンド」は完成度が高くて、オーディオファンならずとも多くの方にオススメしやすい一本に仕上がっていたと思います。
24芯5NのKBEAR Showとのセットアップ |
特に高音域に個性がある同社の「T2 Evo」や、カーボン系のダイアフラムでスピード感やキレを感じる現代的でオールラウンドなサウンドを持った「T5」などと比べると、「T3 Plus」は低音域を中心にオーソドックスなチューニングバランスで手堅く仕上げられた一本だと思いました。ある意味で「T3 Plus」は「T2 Evo」や「T5」に比べて地味だとも言え、またある意味では楽曲の種類を問わず、さまざまな楽曲を手堅く鳴らすことができるイヤホンだと思います。特にピアノやアコースティックギター、ストリングスなどのアコースティックな楽器に関しては、温かみのある低音域を持った「T3 Plus」が一番自然なサウンドを奏でることができると思いました。もしも「T3 Plus」を使ってみて、高音域の伸びがもう少し欲しい方はポータブルアンプやイヤーピース、リケーブルなどを工夫してみるのもオススメです。私はNICEHCKが同社のベリリウムDDイヤホンである「Lofty」の高音域を強化するためにリリースしたリケーブルである「H4-2」と「T3 Plus」の組み合わせが気に入りました。「T3 Plus」はシンプルなシングルDDイヤホンなので、色々な機材と組み合わせて自分好みのサウンドを追求していくのも面白いと思います(沼)。そんなわけで、今回はこの辺りで終わりたいと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m🍀✨
とても上質なサウンドの一本でした(*´▽`*)🍀✨ |
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