【JIJUJET-2 レビュー】クリアーなサウンドが頭の外に響き渡る頭外定位を創るイヤーピース

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頭外定位が得られるJIJUJET-2

はじめに

 みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)🍀✨ 本日はLIZER LABからリリースされる予定の超マニアックイヤーピース、「JIJUJET-2」についてレビューしていきます。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「JIJUJET-2」は世界初の頭外定位を実現したイヤーピースJIJUを開発した群馬県のLIZER LABが、新たにリリースするJIJUシリーズの最新作です。イヤホンで頭外定位を得ることを目指すという一風変わったコンセプトに熱い情熱を燃やすLIZER LABの三瓶氏がJIJUシリーズの設計を、コンマ数ミリ単位でチューニングすることで新たなサウンドを開拓したとのことです。ちなみに「JIJUJET-2」は11/12(土)より、マクアケにてクラウドファンディングを開始しているので、気になる方はマクアケにてお安くゲットするのがオススメです。 


マクアケ
お安くゲットするチャンスです♫ 引用:マクアケ


さて、以前にJIJUJETの記事を作成した時にも説明しましたが、オーディオの世界で言われる定位という概念は色々と意味がありますが、JIJUシリーズは通常のイヤホンで感じられる頭内定位を、特殊なイヤープラグを搭載したイヤーピースであるJIJUを使うことで、より自然なリスニング体験である頭外定位を得られるようにすることを目指しています。もう少し言えば頭内定位とはイヤホンやヘッドホンを使って音楽を聴いた時に得られる定位のことで、頭の中に音場が構築されることを指します。実は、頭内定位とは通常の自然界ではあまり体験しない音の聞こえ方でありつつ、我々オーディオファンの間ではこれがメインになってい・・・以下省略。次に、頭外定位ですが、大まかに言ってしまうと通常の聞こえ方に近い、例えば、スピーカーの前に座って音楽を聴く時の、頭の中ではなく前方からの定位感を感じるような自然な音の聞こえ方に近いもののことを指します。頭外定位は自体は、いくつかのイヤホンやヘッドホンメーカーも研究・開発・発売がされているようです。頭内定位に関してもっと知りたい方は聴覚心理学や音響心理学などでも研究の対象になっているので調べてみると面白いと思います。

 

定位のイメージ 引用:マクアケ 

 「JIJUJET-2」は、特殊なイヤホンやヘッドホンではなく、自分が愛用している手持ちのイヤホンでコンサートホールにいるかのような頭外定位の音場の獲得を目指したイヤーピースです。せっかく頭外定位を得られるイヤホンやヘッドホンであっても、そもそも、その音質が気にいらなければ元も子もないことを考えると、イヤーピース交換によって自分が好きなイヤホンの音で頭外定位を楽しめることが重要だと思います。そして、結論から言ってしまうと今までのJIJUシリーズと同様に、「JIJUJET-2」を使うと頭外定位的な聴こえ方が体験できます。通常のカナル型イヤホンの聞こえ方とは全然違う音の広がり方でありつつ、スピーカーから聴こえる音とも違う感じなのですが、「JIJUJET-2」を装着すると、愛用しているイヤホンから独特な広がりの頭外定位的JIJU サウンド奏でられます。詳しくはこの後じっくりと・・・本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします。

 

こんな仕組みのようです 引用:LIZER LAB

使ってみた

 まずは外観から見ていきましょう。手元にあるのはLIZER LABから送っていただいたサンプルで、従来のJIJUシリーズと同様に非常に高級感のあるケースに収められています。きちんとしたヒンジで開閉できる仕組みのケースで、カチッと開いて、パチンと閉まるようにできています。ちなみにケースの内装スポンジを外すとイヤーピースだけでなく、ギターピック、小さなイヤホン、小物等、好きな物を収納可能です(サイズ 外寸: 幅約82mm、高さ約28mm、奥行き約46mm)。ケースを開けると写真のように従来の黒い専用イヤーピースから一転して、専用の白いイヤーピースに銀色のフェーズプラグがセットされた状態で収められています。このイヤーピースは通常のイヤーピース以上に耳へのフィッティングが非常に重要です。「JIJUJET-2」は結構高価ですが、今まで通りサイズが合わなかった際には交換対応してくれるそうです(お問い合わせはLIZER LABまで)。もっとも、購入前にSonyなどの標準的なイヤーピースを逆にしてフィット感を確かめてから購入すれば、交換などの余計な手間が省けると思います。また、今回はイヤーカップ(白いシリコンイヤーピース)の2サイズセット販売もあるので、左右で違うサイズのイヤーカップが必要な人はコチラがお買い得だと思います。

JIJUJET2
イヤーカップは以前よりもハリがある? 

 イヤーピースを取り出してみます。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、JIJUシリーズは通常のイヤーピースとは装着の向きが違います。写真のように一般的なイヤーピースと真逆に装着するのが正しい向きです。

この向きが正しい向きです。

 普通のイヤーピースは外耳道に密着するように、いわば耳栓のように装着するのですが、JIJUシリーズは、耳の中に小さな音響ルームを作る様に装着します。従来のJIJUシリーズは、フェーズプラグの先端がイヤーカップよりも僅かに飛び出す設計だったのですが、耳の形の個人差でフェーズプラグが耳に当たる方がいたようです。「JIJUJET-2」ではフェーズプラグの全長を僅かに短くすることで、より快適な装着感やTWSなどでも使いやすくなることを目指したとのことです。

 

左:JIJUJET-2   右:JIJUJET

 「JIJUJET-2」の装着方法にはちょっとしたポイントがあります。イヤーピースには写真のように非常に小さい穴が一か所開いています。この穴がイヤーピース装着時に前を向くように装着するのがポイントになります。丁度、耳の穴の前に膨らんだところがあると思いますが、そこに穴が向く感じです。ちなみに、この耳の膨らみのことを耳珠(じじゅ)というそうです。以前にJIJUの記事でもお伝えしましたが、この耳珠が果たす様々な役割について、本田学 1985 耳珠のはたらき 耳鼻臨床, 78:増1 789-801.によると、耳珠の役割の一つとして方向知覚があるとのことで、恐らくJIJUはそのあたりを考慮した設計になっているのだと思います(私が思っているだけ?)。

小さな孔の部分の向きが重要 引用:LIZER LAB

 さて、イヤーピースを裏返してみるとこのようになっています。先ほどのピンホールの裏側、イヤーピースのステム部分にはこのような穴が開いていて、フェーズプラグの穴がそこに合わせてセットしてあります。せっかくなので、ちょっとフェーズプラグを取り出してみましょう。フェーズプラグには4か所ほどに非常に精密な穴が開いていています。小さな金属部品ですが、穴のバリなどもなく非常に綺麗に加工されています。4つの穴の内一つは、他よりも少し大きな穴になっていて、この大きな穴が先ほどのイヤーピースの穴に合わせてセットされています。このわずかな匙加減によって、イヤホンから耳に送られる音の流れをコントロールして頭外定位を生み出していると思われるので、もしも、分解して向きがわからなくなったり、装着している内に向きがズレてしまった際には、前述した内容を参考にしながら正しい位置でセッティングし直してみてください♫

左:JIJUJET-2   右:JIJUJET

非常に精密に加工されています。


実際にイヤホンにセットして聴いてみます。

使用機材

イヤホン:SHURE SE215SE

DAC:Shanling UA3

再生機器:ASUS Zrnfone8

音源:Amazonプライムミュージック LiSA 一斉ノ喝采(24bit/48KHz)

 

 以前のJIJUJETのレビューではLIZER LAB代表である三瓶氏オススメのクラシック楽曲(Beethoven: Triple Concerto / Maisky - Videnoff - Mannheimer Philharmoniker)で聴き込みましたが、今回はめちゃくちゃJ-POPです(*´▽`*)🍀

 

 まずはSHURE SE215SEで普通にリスニングしました(イヤーピース:CP100+、ケーブル:BIGMANGO Zebra)。LiSAさんの一斉ノ喝采はかなりロックテイストの強いサウンドで、ヴォーカルと低音が頭の中のど真ん中、つまりと頭内定位でズドーンと鳴ってくれますSE215SEは音場が普通からやや狭目ですが改めて良い音だなと思います。次にイヤーピースを「JIJUJET-2」に変更して試聴してみます。音場が一気に広がり、かなり見通しの良いサウンドに変化しました。やや音量が小さくなったので、Shanling UA3のほうで音量を上げます。第一印象は定位がどうこうよりも、非常にクリアーなサウンドに変化しました。SHURE SE215SEは人によっては、「ややこもりがちな音」と評されることがありますが、エレキギターのクリーントーンサウンドが「かなりクリスタルな響き(謎)」です。ヴォーカルもものすごく抜けてきます。それに反比例する形でベースやバスドラムの低音はグッとタイトになりました。中高音域から高音域がかなり明瞭になってびっくりです(笑)

今回の機材はこんな感じです♫

 肝心の頭外定位感ですが、今までのJIJUシリーズよりも明確に定位感がわかりやすくなっています。まずは定位のど真ん中にあった低音が頭の中で響かなくなり、空間の見通しが圧倒的に良くなりました。そしてヴォーカルの艶やかさが半端ないです。中音域に位置する多くの楽器の定位が左右にきっちりと振り分けられる感じでクラシカルな音作りのSE215SEなのに、音場は肩幅よりも広く感じるようになりました。そして、高音域が非常に際立ちます。解像度が高いと感じる人が多いと思いますが、少々ノイジーに感じる方もいるかもしれません。ちょっと試しに、従来のJIJUシリーズと比較してみたところ、音質の違いがかなりあります。私の手元にあるJIJU(プロトタイプ)、JIJUJET、「JIJUJET-2」と新しくなるにつれて、全体的な音の重心が上がり、高音域の明瞭さが増しているようです。また、それに伴って音場が広くなっていくような感覚を受けました。もしも、「JIJUJET-2」を使ってみて、もっと低音が欲しいと思った人は従来のモデルを試してみるのも良いかもしれません。特に、音域の広いオーケストラ楽曲で、チェロやコントラバスのようなサウンドが好きな人は従来型のサウンドの方が楽しめると思います。J-POPなどで、特に女性ヴォーカルが好きな方は「JIJUJET-2」がオススメな気がしました。

断面図✨ 引用:LIZER LAB
 

終わりに

 本日は群馬県に本拠を置くLIZER LABの頭外定位イヤーピースJIJUシリーズの最新作、「JIJUJET-2」についてレビューしていきましたを。「JIJUJET-2」は頭外定位という自然な音場の獲得を目指して開発されたイヤーピースで、今回の「JIJUJET-2」は従来のJIJUシリーズよりも中高音域~高音域が明瞭で、広がりのある音の世界を聴かせてくれました。今までのJIJUシリーズとかかなり違うサウンドで、現代的な透明感のあるサウンドに変化するので、イヤホンによっては、やや高音域がきつく感じる可能性がある気がしましたが、SHURE SE215SEのようなオーソドックスなサウンドのイヤホンとは相性が良いと思いました。最近は2,000円前後の高価なイヤーピースが増えてきましたが、「JIJUJET-2」も正直言って結構な販売価格です。しかし、イヤーピース、フェーズプラグ、そしてケースまでもが非常に丁寧な仕上げであることを考えると、ある意味、最近の高価格なシリコン製イヤーピースよりもリーズナブルなのかもしれません。

 

ケースの質感がすごくいいんです✨

 従来のJIJUJETよりもフェーズプラグを0.8mm短くすることで、装着感をより快適に、TWSへの装着も視野に入れたとのことですが、JIJUシリーズは耳へのホールド感が高い製品ではないので、どちらかと言えば有線イヤホンを使って、自宅でゆったりと音楽を聴く用途に向いているような気がしました。音の傾向として従来のJIJUJETよりも結構高音域が強化されたチューニングになっているので、ヴォーカルやピアノの艶かさ、フルートの繊細な表現を楽しむような高音域の解像感を重視するユーザーであれば「JIJUJET-2」が、壮大なスケール感のオーケストラでコントラバスやチェロのような重心が低いサウンドを味わいたい方は従来のJIJUJIJUJETがマッチすると思います。もっとも、愛用するイヤホンのチューニングが低音域側に振られたものなのか、高音域側に振られたものなのかによっても印象が変わると思います。この辺りは実際に聴き比べないと分かり辛いところなのかもしれません。

 

使用するイヤホンによって印象が変わります。

 「JIJUJET-2」は非常に面白いイヤーピースですがイヤホンとの相性があります。LIZER LABのHPでは、イヤホンのステム径が5.5㎜以上でステムに返しが付いているタイプのイヤホンの使用を推奨しています。ShureWestoneのようなステムが細いイヤホンでJIJUシリーズを使うには、今回私が使用したようなSpinFit CP100+に付属しているノズルアダプターを使用する必要があります。また、大きなイヤホンや重いイヤホン、ステムが長いイヤホンだと装着が不安定になりやすいと思います。また、遮音性は高くないため、電車の中のような騒音が大きな場所では使いにくいと思います。できれば自宅のような静かな環境で使うことが望ましいと思います。そこそこ大きな音で聴いた方が真価を発揮するので、静かな環境であっても図書館のように音漏れしてはいけない環境での使用はあまりおススメできないです。しかし、なんというか、今回は頭外定位以上にサウンドの変化に驚きました(笑)いや、頭外定位感もわかりやすく、音場の変化はすごいものがあるんですよ。そんなわけで、今回はこのあたりで終わりたいと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m🍀✨


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