【KZ Acoustics EDX レビュー】LiSAさんの歌う名バラード 劇場版「鬼滅の刃」のテーマ曲「炎」で分析する「EDX」はあなたをイヤホンの沼に引きずり込むのか!?ー煉獄杏寿郎イヤホンー
この色合いは煉獄杏寿郎の羽織⁉ |
はじめに
いつもご覧いただきありがとうございます。今日はハロウィーンですね。みなさんはハロウィーンパーティーをしますか?私はハロウィーンパーティー的なものには一度も行ったことがないです。人ごみはあまり得意ではないので、渋谷の街に繰り出したいとは思わないのですが、仮装は一度してみたいなと思っています。しかし、身近にそういうタイプの人がいないので・・・こんな感じにしてみました。我ながら才能を感じる腕前です(;^_^A
もちろん食べます(笑) |
本日はKZ Acousticsさんのイヤホン、新世代XシリーズからEDXの紹介させていただあきます。EDXは新世代Xシリーズのエントリーモデルに位置づけられるモデルです。KZ Acousticsさんのイヤホンは基本的に手に取りやすい価格設定、いや思わずポチリやすい価格設定のものが多いですが、EDXの販売価格は凄まじいです。販売経路にもよりますが、そのお値段は何と1,000円前後!!コンビニで売っているイヤホン並みのお値段です。音楽を聴くのが好きな人(オーディオオタクファン)であれば、安すぎて逆に買うことを躊躇してしまうほどリーズナブルな価格設定です。しかし、過去にもKZ AcousticsさんからはATEやATRなど激安なのに音は◎な伝説(レジェンド)のイヤホン達が発売されてきました。それらのレジェンド達は、時にはShure SE215と比べられることもあるくらいオーディオファンに衝撃を与えてきたことをご存知の方もいらっしゃると思います。さて今回のEDXはどうなのでしょうか?
白箱をスライドさせると沼の入り口が見えてくる⁉ |
EDXは入門機にも関わらず、白色、黒色、灰色の3色展開です。付属のケーブルは銅色の編み込みケーブルで、マイクありとマイクなしから選ぶことができます。マイクありとマイクなしの差額は100円程度です。マイクありだと、マイク部分がリモコンになっているので、スマートフォンやDAPなどの再生機器をリモコンで操作できます。生粋のオーディオファンであれば、音源とイヤホンの間に余分な抵抗を挟まない、マイクなしを選ぶところかもしれません。そんなわけで私が購入したのは白色で、もちろんマイクなしを選びました。しかし、決して音質が云々と言う高尚な理由からではないです。安いからです(笑)そんなわけで、今回もじっくりと聴いていきたいと思います。
1ボタンのリモコンはマイクにもなっている |
使ってみた
EDXはKZ Acousticsのレギュラーラインでよく使われる白箱に入っています。内容物はイヤホン本体と銅色のケーブル、SMLの三種サイズの白いイヤーピースと紙切れが数枚です。Mサイズのイヤーピースは予め本体にセットされています。少し気になったのは、Amazonの販売ページを見るとケーブルが二種類あるように見えます。イヤホンの筐体が黒色と灰色に付属しているケーブルは銅の色が使い込んだ10円玉のようなダークな色合いで、私が購入した白色はケーブルの銅の色が新品の10円玉的な輝きのあるものです。実際に私の手元に届いたものはAmazonの販売ページと同様の新品10円玉タイプでした。ちなみに以前に購入したKZ Acousticsに付属していたケーブルも前述した二種類のバージョンがありました。ロットの違いなのか、イヤホンのカラーやモデルによって違うのか詳しいところはわかりません。音質に関して差があるのかもわかりません。流石はKZです(謎)。
いつも通りの付属品 |
右がEDX付属品、真ん中がZSTX付属品 |
イヤホン本体を見てみましょう。艶のある白色で、非常にすべすべした手触りです。イヤーピースを着ける際に、滑ってつけ難いくらいすべすべした手触りです。筐体は樹脂製でフェイスプレートも樹脂製です。フェイスプレートには銀色で大きく
反射するほどの艶&すべすべ |
耳への装着感はいつものKZ Acousticsという感じです。ステムの太さは太目ですが、ソニーなどの標準的なイヤーピースがはまるサイズです。普通のイヤホンを愛用している人は、手持ちのイヤーピースに交換するのも良いかもしれません。ステムの長さは同じKZ AcousticsのZSTXやZAXよりも短い気がします。
ちょっと長さが違う気がするのは気のせい? |
言い忘れましたが、今回のEDXはKZ Acousticsのエントリーモデルとして歴史を覆すような革命的な進化を遂げています。レジェンドであるATEやATRは一見するとイヤホンとケーブルがまるでmmcx接続のように見えるにも関わらず、リケーブルができないイヤホンとケーブルが一体になった中華ダミー方式(謎)を採用していたのですが、新世代XシリーズであるEDXは、KZ
Acousticsの通常ラインと同等の0.75mm2pin リケーブル方式を採用しています。1,000円程度のイヤホンでリケーブルができるというのは、イヤホン史に新たな一歩を刻んだと言って良いと思います。リケーブルができるようになったということは、断線時にケーブルを買い替えることもできますし、ケーブルを高級なシルバーやゴールドケーブル、もしくは便利なBluetoothケーブルにアップグレードできるということです。ちなみにEDXの0.75㎜2pinはKZ
AcousticsでいうところのBpinタイプになります。Cpinタイプとは微妙に違うのでリケーブルを購入する際は注意してください。ただし、どのようなタイプのリケーブルを購入しても、新たにEDX本体一式を買った方が安い可能性があるところがEDXの凄さ!?だと思います・・・
左:Bpin 右:Cpin |
少し脱線しました。音のチェックはいつものようにSHARPのR2コンパクトで、Amazonミュージックからダウンロードした楽曲を使用します。楽曲は劇場版「鬼滅の刃」使われているLiSAさんの「炎」を聴き込んで行いました。「炎」はエレキギター、ベース、ドラムと言った通常のバンドサウンドの中に、効果的にピアノやストリングス等の音が使われたスローテンポのバラード曲です。鬼滅の刃らしい悲壮感ただよう無情な世界観を感じる名曲だと思います。Aメロからサビに向けて徐々に音が増えていくので、前回ZAXレビューで聴き込んでいたヨルシカさんのノーチラスと同様にイヤホンの癖が非常にわかりやすい曲なのではないでしょうか。
もはやこのデザインは煉獄杏寿郎イヤホン |
イントロは電子ピアノとギターアルペジオの音から力強いベースが入ってきます。ピアノやギターの音もしっかりとした音割れの無い綺麗な響きを感じますが、わずかに高音が出きっていない印象を受けます。ベースの音は輪郭がある太く力強さを感じる音ですが、強すぎる感じではなく比較的綺麗な低音です。新世代Xシリーズのダイナミックドライバーが得意とする、低音域の力強さはエントリーモデルのEDXでも健在のようですが、ZSTXで感じたような深みのある力強い低音よりも、EDXでは全体的に低中音域の抜けの良さを感じます。バッキングのピアノには程よい膨らみを感じヴォーカルは自然な息遣いが聞こえ、サ行の刺さりを感じません。ヴォーカルが楽器とぶつからず、歌声がしっかりとフューチャーされ非常に聴きやすいです。イヤホンによっては聴き取りにくい傾向があるバッキングのミュートされたギター高音弦のカッティングフレーズも適度な味付けとなって耳に届いてきます。
思いのほか低音に特化しているわけではない |
サビになると音数が増えます。それぞれのパートがぶつかる感じはないですが、音の広がり感と言う点では少々物足りなさを感じます。音数が増えた際の表現力や音抜けは、上位モデルのZSTXにやや劣る印象です。しかし、EDXの音が悪いかと言うとそんなことはありません。上位モデルのZSTXとの差は小さく、人によっては音のまとまりを感じるシングルドライバーのEDXの方が好きな人もいると思います。もちろんiPhoneなどのスマホ付属のイヤホンと比べるとEDXの音質ははるかに良いと思います。
EDXとZSTX。あなたはどちらが好み? |
ベントの数はEDXが2個、ZSTXが1個 |
次はリケーブルをしてみたいと思います。EDX付属の純正銅ケーブルから、ZSTXに付属していた銀メッキアップグレードケーブルに交換して、再度LiSAさんの「炎」を聴いてみます。実は他のイヤホンで同じ組み合わせのリケーブルを試したことがあるのですが、音の違いがあまりわからなかったという経験があります。実際、私自身は既にモスキート音が聞き取れない耳なので、今回もリケーブルによる音の変化を感じ取れる自信はなかったのですが、何とびっくり今回は音が違うと思いました(笑)一般的には銀メッキケーブルの方が高音域の解像度が上がると言われているのですが、解像度の変化はさほど感じず、なぜか中低音域が力強くなったように感じました。イントロを聴いた瞬間から音質の違いを感じて、そこにベースが入ってくるとさらに違いを感じます。特にわかりやすいと思ったのがストリングスやバスドラの音です。ストリングスはEDX付属銅ケーブルの時よりも音に深み、豊かさを感じます。バスドラの音は深みと重さが増して、ドライバーから発せられた音によって、力強く鼓膜を振動させられているように感じます。EDX付属銅ケーブルを使用した際の、私のイヤーピースの装着方法が悪かったのかと思って、再度つけ直して音質を確認してみたのですが音の傾向は変わりませんでした(注)。
実は初の屋外撮影でした |
おわりに
今回はKZ Acousticsさんの新世代XシリーズのエントリーモデルにあたるEDXをレビューいたしました。EDXはシンプルな樹脂製の筐体に、二重磁気ダイナミックドライバーをイヤホン片側一発のみ搭載した潔い構成にも関わらずオールラウンドに使えるイヤホンでした。EDXは上位モデルに比べると総合的な性能は劣るものの、正直言ってこの性能で十分な人もかなり多いと思います。恐らく家電量販店で2~3,000円程度の普通のイヤホンを購入する健全な方は、EDXの音で満足してイヤホンが壊れるまで使い続けるのではないでしょうか?そして、一部のオーディオオタクファンの素質を持った方々は、ここから沼にハマっていくのだと思います。あと1,000円出すとハイブリッドデュアルドライバーのZSTXが購入できますし、そこにから更に2,000円強追加すると片側3BAの白日イヤホンAS06が見えてきます。しかし、失敗したくない(謎)一気にレベルアップしたい(更に謎)、昇り詰めたい(謎のまた謎)…そんな人はZAXが良いと思います。ZAXはネットでの評判もすこぶる良くて、実際にマルチドライバーじゃないと出せない音の世界を提供してくれますし、リスニング的にも非常に良くまとまったハイレベルな仕上がりのイヤホンだと思います。更に上のASXがあるじゃないかと言う方もいらっしゃるとは思いますが・・・ASXも良いイヤホンですが、私は敢えてZAXを推したいと思います。煉獄杏寿郎イヤホンEDXのレビュー記事だったはずが、最後は何故かZAX推しの展開になってしまいました。しかし、いきなりZAXのような7,000円近い中華イヤホンを購入するのは躊躇するのが普通だと思います。しかも、オーディオオタクファン以外の一般の方々にとっては「KZ Acoustics?何それ?」という感じだと思いますので…とりあえず、中華イヤホンの沼のほとりに立ってみたい、そんな欲求不満な人は煉獄杏寿郎イヤホンことEDXを試してみてください。少し高めのランチ代くらいにはなりますが、有名メーカーの2~3,000円台のイヤホンしか使ったことが無い人なら、きっとその音に驚くと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまで来たあなたは、もう沼の入り口にいるはず⁉ |
いつものようにAmazonリンクを貼っておきます。リケーブルを買うのが良いか、ZSTXを買って銀メッキアップグレードケーブルを手に入れるのが良いのか迷う価格設定です。
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