豆吉(謎)【BQEYZ Spring2 レビュー】春風のように優しく上質な音を奏でる大人のイヤホン♪
豆吉(*´▽`*)♡ |
はじめに
みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)。本日はBQEYZ社より販売されているSpring2についてレビューしていこうと思います。BQEYZ社のイヤホンを使うのは今回が初めてなのですが、みなさんはBQEYZ社をご存知でしょうか?私なりにインターネットで検索してみたところ、Facebookのアカウントを発見いたしました。それによると、BQEYZ Audio Factoryは中国の企業で、イヤホンの原材料からイヤホンの製品加工まで自社で行う企業のようです。BQEYZ社はヘッドセット業界で20年以上の経験があり(凄い)、経験豊富なサウンドチューナー、若くてスタイリッシュなIDクリエーター、および第一線のヘッドセットブランドの開発を主導してきたMDエンジニアのグループで構成されているとのことです。かなりこだわって製品の企画・開発をしているような記述で非常に興味深いですね。
今回ご提供いただいたSpring2は、なんとBQEYZ社のフラッグシップモデルのようです。Amazonのリンクを添付させていただきますが、Amazonでのお値段も、中々良いお値段です。Spring2の最大の特徴は、何と言っても9層圧電式セラミックドライバーだと思います。耳慣れない響きですが、イヤホンの音を奏でるドライバーに、いわゆるピエゾドライバーを搭載しているということです。調べてみたところ、ピエゾドライバーは超高音域の再生が得意なドライバーとのことですが、ピエゾドライバーを採用しているメーカーは結構少なく、どのような音がするのか非常に気になります。Spring2は、この9層圧電式セラミックドライバーの他に、バランスドアーマチュア(以下BA)、13㎜ダイナミックドライバー(以下DD)をそれぞれ一機ずつ搭載しています。超高音域を9層圧電式セラミックドライバー、高音域をBA、中~低音域をDDで鳴らすようにデザインされているのでしょう。最近、DDとBAのハイブリッドイヤホンはかなり増えていると思いますが、3種類のドライバーを合わせたトリブリッドイヤホンは結構珍しいのではないでしょうか?
ピエゾドライバーの構造は何だか凄い!! 出典:Amazon |
結論から言ってしまうと、BQEYZ社のSpring2は非常に良いイヤホンでした。提供された製品をべた褒めするとサクラっぽくなるのであまりしたくはないのですが、音質、着け心地共に非常に私好みでした。いつものように、長々としたレビューになってしまいますが、本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします
使ってみた
まずは外箱から見ていきましょう。爽やかな緑色の外箱です。箱の裏にはSpring2の仕様と同梱物が記載されています。何と言うか、中華イヤホンですがパッケージングが「ちゃんとしています」。仕様表によると、周波数帯域は7-40Khzということで、Spring2は日本オーディオ協会の認証は受けていないようですが、ハイレゾレベルの再生能力を持っているようです。感度は110±3dB、インピーダンスは32Ω±15%ということで、詳しくはわかる方にお譲りします(汗)購入時にプラグサイズが選べて、私は3.5㎜を選びましたが、2.5㎜や4.4㎜バランス接続用のプラグも選ぶことができるようです。
仕様も記載されています |
プラグケースはアルミ製 |
製品付属のイヤーチップ種類が豊富で、プラスティックケースに入ったウレタンタイプのイヤーチップ(Mサイズくらい)が一組、シリコン製のイヤーチップが2種類×3サイズ(S―L)入っています。シリコン製のイヤーチップは写真のような金属製のプレートに収められていて、キャリングケースに入れてイヤホンと一緒に持ち運ぶことができます。自分の好きなイヤーチップに入れ替えて持ち運ぶこともできて何気に便利そうです。キャリングケースはよくある中華イヤホンケースみたいですが、結構しっかりしていて良い感じです。ケーズ自体の深さもそこそこあるので、付属の編み込み式ケーブルを入れても窮屈な感じはありません。
使い勝手の良いケース |
さて、肝心のイヤホン本体を見ていきましょう。イヤホンシェルはアルミニウム製で、非常に綺麗な発色のアルマイト加工が施されています。イヤホンのシェル全てがアルミ製で、イヤホンのステム部分もアルマイト加工がされているので、塗装仕上げやメッキ仕上げとは違った高級感があります。アルマイト加工はアルミニウムの耐腐食性を向上させて、表面硬度も増すため、バイクや車などのアルミパーツ、最近ではノートPCの筐体にもよく使われていますね。金属感のあるイヤホンシェルは、サラッとした手触りでついつい撫でていたくなります。Spring2はブラックとグリーンがあるようですが、結構雰囲気が違います。Twitterを見ると、非常に綺麗な発色の紫色も公開されていました。もしかすると、今後発売されるのでしょうか?
Elle ZhouさんのTwitte |
Spring2は13㎜DDという、中々大きなDDを搭載しているうえに、9層もの圧電式セラミックドライバー、更にはBAまで搭載しているので、イヤホン本体のサイズ感が気になると思います。3ドライバーと言うことで、手元の3ドライバーイヤホン、KZ社のDQ6(3DD)AS06(3BA)と比べてみましょう。Spring2の筐体はAS06程度の厚みがありますが、DQ6やAS06と比べてもひと回り以上コンパクトに仕上がっていることがわかると思います。インイヤーモニター形状にも関わらず、コンパクトに仕上がっているので、耳の小さい方や女性でもぴったりと耳に収まるのではないかと思います。
3ドライヤホン同士でも大きさは色々 |
Spring2はコンパクト |
さて、実際に装着してみましょう。イヤホン本体とケーブルを接続します。接続はリケーブルできるイヤホンでよく使われている0.78㎜の2ピン仕様です。イヤホンとケーブルそれぞれにLRの向きが書いてありますが、接続の向きが心配な方はYouTube動画をご覧になってください。ちなみに初めて接続する時は、イヤホンとケーブルの差し込みが結構固かったので壊さないように注意してくださいね。
お待たせいたしました。ここからはSpring2で実際に音を聴いてみます。今回はAmazonプライムミュージックからヨルシカさんの「春泥棒」、LiSAさん&Uruさんの「再会」を聴いてみました(みなさんも、曲を聴きながらお読みいただければ一層楽しめると思います)。使用機材はいつも通りHuaweiのP30Proで、接続はエレコムのDAC内蔵USB-3.5㎜変換ケーブルAD-C35SDBKを使用しました。ちなみにイヤーチップは付属品ではなく、いつものShure純正ウレタンフォームイヤーチップ改を使用しています。付属品のイヤーチップも非常に高音質、高音質だったので、音質傾向については最後にまとめてご紹介させていただきます。
イヤピース(L)を着けるとコンパクトさがわかる |
まずはヨルシカさんの「春泥棒」を聴いていきましょう。イントロは少し空気感を感じるギターとドラムのサウンドから入ってきます。音場はやや広めです。KZ社のZAXのような楽曲をドラマチックに感じさせるような広さではなく、自然な感じの広さと言えば良いのでしょうか。そして、一聴してわかるくらい解像度が高い音質です。ちなみにここで言う解像度とは、デジカメで言うところの高画質のような感じだと思ってください。ギター弦の金属感は軽やかな感じで、バスドラの音はしっかりと響きます。曲に合わせてsuisさん優しい歌声が聞こえてきます。そこで思わず「おっ!?」となりました。ボーカル域の情報量が多いです。歌声の深み、声の倍音が多いと言えば良いのでしょうか?最近聴いてきたイヤホンとは明らかに毛色が違います。どちらかと言えばヘッドホンのような自然な響きに近いです。
サビのあたりで、一気に楽器が増えて急激に楽曲のボルテージがあがります。Spring2は自然で大人しい音作りのイヤホンかと思っていましたが、しっかりと楽曲のボルテージについていくだけのポテンシャルがありました。上品ながら十分なボリュームを持った、しっかりと響く低音域、高音域の金属感も繊細に表現されています。そして、ボーカルもしっかりと前に出てきてきます。音数が増えても音の分離感が高くごちゃごちゃせず、きめ細かな音が非常に耳に心地良いです。あえて言うなら、弱ドンシャリという感じの音作りですが、前述した通り全体的に自然な響きでありつつ、それでいてメリハリがある音作りはとても好みでした。
ポテンシャルは高い |
続いて、LiSAさん&Uruさんの「再会」を聴いてみましょう。この楽曲のリズム隊は打ち込み主体で、ボーカルの歌声、表現を非常に重視した楽曲だと思います。以前、ASUSのゲーミングヘッドセットの記事で、この楽曲はLiSAさん&Uruさん声質が全然違い、特にUruさんの声の倍音部分を鳴らすのが難しいようなことを書いたと思います。しかし、Spring2であれば鳴らせそうな予感がします。
LiSAさん歌声から曲が始まります。これまた「おっ!?」という感じです。ボーカル域の音の情報量が豊かで、声に深みを感じます。LiSAさんの声に新たな魅力を見たような気がします。打ち込みのバスドラの音は、かなりしっかり深く響きます。Spring2はそこまで低音域を売りにしたイヤホンではないと思うのですが、13㎜のDDを積んでいるので低音域のポテンシャルは高いのだと思います。打ち込みのバスドラはイヤホンで聴くとのっぺりしがちですが、ちゃんと最近の打ち込みが持つ立体感を感じるレベルで鳴っていると思います。
そして、再生が難しいUruさんの声ですが、「ばっちり」ちゃんと再生されました。囁くような歌声に含まれる低音域の倍音も、ちょっとドキドキするくらい綺麗に再生されています(*´▽`*)ボーカルの声に含まれる倍音成分が少な目のイヤホンで聴くと、ボーカルの声がキュートに(悪く言えば子供っぽく)聞こえる傾向あると思うのですが、Spring2で聴くと二人の歌声が非常に大人っぽく魅力的に聞こえます(言うまでもなく、お二方ともに素敵な大人の女性ですが)。ボーカルにフューチャーしたイヤホンは楽器の音が今一つになってしまう傾向があると思いますが、Spring2は楽器とボーカルが持つそれぞれの繊細な響きを十分に引き出し、両立させる絶妙なチューニングが施されていると思いました。
ちょっと豪華なパッケージング |
ちなみに付属のイヤーピースですが、色が薄くて背が低い方(Reference)は、読んで字のごとくReference向けで、まさにモニター的に音を聴く際に適したフラットな音質になります。そして、色が濃くて背が高い方(Atmosphere)は音のメリハリが協調されます。同じイヤホンとは思えないくらい音が変化するので非常に面白いです。余談ですが、Referenceの方はイヤーピースの軸の素材が傘の部分と違っていて、軸が短い上に少し硬いのでイヤホンへの装着にコツがいるかもしれません。ちなみにAtmosphereの方は軸の長さも普通で、軸も特別硬くないので普通に装着できます。中華イヤホン付属のイヤーピースは使えないシロモノが多い気がするのですが、Spring2の付属イヤーピースは十分実用的で、クオリティーも高いと思いました。
使えるイヤーピースが付属 |
終わりに
本日はBQEYZ社のトリブリッドイヤホン、Spring2についてレビューさせていただきました。Spring2は9層圧電式セラミックドライバーという非常に手の込んだドライバーを搭載し、更に高音域を担うBA、中音域から低音域を担う13mmのDDを搭載して、音源の持つ豊かな音を上品にバランスよく再現してくれる非常に高性能なイヤホンでした。当ブログのイヤホンレビュー記事をいくつかご覧になったことがある方はわかると思うのですが、私は普段ボーカルよりも楽器の音を中心に記事を書くことが多いです。私が楽器をやっていたせいもありますが、ボーカルを聴いた時に「おっ!?」となるイヤホンにあまり出会わないからというのが本当のところです。しかし、BQEYZ社のSpring2の音は、久しぶりにボーカルの音に「おっ!?」となるものがありました。
Spring2の音の解像度は非常に高いのですが、KZ社のASXのような鋭い解像度ではなく、日本料亭の出汁(だし)のような、角のない優しく豊かな解像度の高さを持っています。音場に関しても十分な広さがあるのですが、楽曲の雰囲気を大幅に変えるようなものではなく、自然で音の広がりがある上品な音場でした。
シェルにはLRの刻印がある。 ベント穴も音質に大きく影響していると思います。 |
Spring2の音作りはメリハリ感を持ちつつも全般的には上品で、しかも、ボーカルや楽器のニュアンスの再現性が非常に高いと思います。9層圧電式セラミックドライバーは超高音域を担うという説明をしましたが、どこにもキンキンしたナーバスな響きは感じられませんでした。これは想像ですが、9層圧電式セラミックドライバーがボーカルや楽器の持つ倍音を豊かに再現することで、高級料亭の出汁のような上品でありながら深みのある豊かな音を作っているのだと思いました。
小さな筐体の中にドライバーがぎっしり!! |
Spring2は、レビュー的には何か難点を上げたいところなのですが、ちょっと問題らしい問題が見つからないくらい出来が良いイヤホンでした。しかも、オーディオファン以外にも、一般ユーザー(謎)にもおススメできる音作りでした。あえて難点を上げるとすれば、お値段が結構することです。私も含めてオーディオ沼にどっぷりと浸かっている人は、イヤホンへの金銭感覚がおかしくなっていますが、一般的に言えばSpring2は高価な値段設定だと思います。いや、多分、一般的な金銭感覚の人から見れば非常に高価な製品だと思います(大事なことだから二回言いました)。そして、もう一点、Spring2は定番に成り得るようなポテンシャルを持った非常に良いイヤホンだったので、今後、是非ともカラーバリエーションを増やして欲しいですね。女性に使いやすそうな薄いピンクや水色などもあればお洒落だと思いました。そんなわけで、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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