【ASUS E210MA】レビュー 最新の低スペックノートPCだからこそできることノートPCは絶対的な性能が正義なのか!?ロースペックノートPCの使い勝手について考えてみた。
はじめに
こんにちは。九月になりましたね。今年の夏は自宅に引きこもりがちだったせいか、普段よりも蝉の声を聞かなかった気がします。そして、いつの間にか夜には秋の虫の声が聞こえるようになりました。虫の声といえば、こんな研究があるのをご存じでしょうか(日本人の脳―脳の働きと東西の文化)?東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信先生による研究ですが、世界中で虫の鳴き声を「声」として認識しているのは日本人とポリネシア人だけだということを脳の点から説明している研究です。かなり古い研究ですが、未だに結構ネットニュースなどでも取り上げられているので興味がある方は検索してみると面白いですよ。もっと興味がある方は本書を購入してみるのも良いかもしれません。1978年出版の本ですが、まだ新品で購入できます。
さて、本題です。みなさんはノートPCを持っていますか?最近はリモートワークやオンライン授業などで急にPCが必要になった人も多いかと思います。しかし、いざ購入しようと思って検索してみると、様々なメーカーから多種多様な仕様のPCが販売されていて、どのようなPCを購入すればよいかわからなくて、結局スマホで済ませているという人もいるかもしれません。
そこで本日は、ASUSから発売されたばかりの新商品E210MAについてレビューさせていただきます。こちらのノートPCは台湾のメーカーASUSから今年2020年の8月20日に発売された軽量でコンパクトなノートPCです。E210MAは11.6インチという小型な筐体にWEBカメラやオフィスソフトを同梱しているので、購入後に何も買い足さなくてもリモートワークやオンライン授業で使用することができます。
E210MAの非常に優れている点は、PC本体のサイズ・重量、バッテリーの持続時間、そして値段です。PC本体は小さな鞄にもすっぽりと入るコンパクな11.6インチで、重さはたった1.08㎏しかない上に、バッテリーは12.7時間も使用できる設計になっているため、職場や大学、カフェなど、どこにでも持ち運びがしやすく、リモートワークやオンライン授業で非常に使いやすいと思います。軽量なノートPCは10万円以上するような高価なモデルが多いですが、このE210MAは3万円台で購入できてしまいます。ASUSさんは昔からこの手のコストパフォーマンスが高い軽量モバイルノートPCを作り続けているので、その完成度は非常に高いと思います。ちなみに私は5年ほど前に、ASUSさんから同様のコンセプトで販売されて大人気だったX205TAというモデルを数年間使用していたことがあります。
使ってみた
今回はASUSさんのご厚意により貸出機をお借りすることができました。貸出機のカラーはドリーミーホワイトと名付けられたパール系の色で、白い塗装の中に非常に細かいラメが散りばめられていて見る角度によって色が変わって見えます。写真ではその美しさを十分に伝えられないのが残念です。美しい塗装が施された天板には、某ブランドのようなモノグラム調のプリントが施されています。ノートPCは武骨なデザインが多いので、このようなデザインは非常に新鮮に見えます。いわゆるクラムシェル構造(ぱかっと開ける普通のノートPCの構造です)のPC開くと、キーボードの面はキースイッチが黒色で周りのフレーム部分はアルミのように見えます。しかし、触ってみるとシャンパンゴールドかシルバーのような色で塗装されたプラスチックのようです。
さすがにこの値段のノートPCなので本物のアルミではないですが、シャンパンゴールドの塗装は安っぽさが無く、滑らかな触り心地で良い感じです。肝心のキーボードのタッチですが、私が5年ほど使っていたX205TAとは良い意味で全然違います。当時としてはX205TAのキーボードは打ちやすいキーボードだったのですが、キーを打った際に少々ダイレクト感が欠けていました。しかし、E210MAのタイピングした際の手ごたえと音は、X205 TAとは全然レベルが違います。私が現在モバイル機として愛用している、ASUSのハイエンド系モデルであるZenBook UX433FNと同じ方向のダイレクト感ある打鍵感です。UX433FNは10万円以上するモデルなので、E210MAの打鍵感と全く同じではありませんが、打鍵感の方向性は似ていてE210MAはタイピング時のシャーシのたわみが少なく、非上に滑らかにタイピングできます。
キー配列はUX433FNとほとんど同じであるため個人的には非常に打ちやすいです。いわゆる日本語配列で、キーピッチなども11.6インチのノートPCとしては一般的なピッチだと思います。E210MAのEnterキーは周囲が黄色く縁取られており、少し近未来的な雰囲気を醸し出しています。電源スイッチはUX433FNと同じでキーボードの一番右上に配置されており、この配置に慣れていない方はDeleteキーと間違え押してしまことがあるかもしれません。キーボードの配置こそZenBookと同じですが、E210MAのキーボードにはバックライトがありません。このあたりは値段相応の仕様だと思います。
次にノートPCにとって重要なタッチパッドを見てみます。何と、ハイエンドモデルに搭載されているナンバーパッドが実装されています。ナンバーパッドとは、いわゆるフルサイズキーボードについているテンキーをタッチパッド上で使用できるようにした機能です。ASUSのハイエンドモデルに実装されている機能で、私が愛用しているUX433FNにも搭載されていますが、エクセルなどでたくさんの数字を入力する際には結構便利な機能です。タッチパッドの右上部分を長押しすると、通常のタッチパッドとナンバーパッドの機能を使い分けることができます。UX433FNの場合は、普段は普通のタッチパッドですが、ナンバーパッドの機能をONにするとバックライトで数字が浮き上がってくる仕組みになっています。しかし、E210MAはタッチパッド上に最初からテンキーの模様が印刷されており、普段からテンキーが視認できる状態になっています。残念ながらE210MAではタッチパッドもキーボードと同様にバックライトが搭載されていません。日常の使用時にバックライトを使う必要性がどれくらいあるかはわかりませんが、個人的にはバックライトを搭載している方が高級感があって良いと思います。バックライトがあると薄暗い中でも操作しやすいので、次回のモデルには低価格モデルであっても搭載してほしいですね。
続いてモニター部分を観察します。液晶モニター部分はノングレア処理のされたTFT液晶です。ノングレア処理のおかげでモニター部分に部屋の照明や自分の顔などの映り込みが少なくて非常に見やすいです。昔のモデルであるX205 TAは液晶の視野角が少々狭く、正面以外からモニターが見にくかったのですが、E210MAのモニターは液晶自体の視野角も通常の使用時には問題が起きないくらいの広さがあり、色合いも悪くはないと思います。さすがZenBookに搭載されているIPS液晶と比べると視野角、色彩とも見劣りしていまいますが、値段を考えると比較すること自体がナンセンスかもしれませんね。参考までにそれぞれの画像写真を掲載しておきます。一般的なWEB閲覧やYoutubeの視聴、オフィスソフトの使用などの用途においては、E210MAの液晶で困ることはあまりないのではないでしょうか。
続いてはWEBやYoutubeの視聴、オフィスソフトの使用感について見てみましょう。試しにYahooニュースを開いてみます。ページ全体を開ききるまでに若干のラグがありますが不快に感じるような遅れはなく快適にWEBページを閲覧できました。次にYoutubeを開いてみます。最近のYoutubeは結構重いページになっているため、インターネットの環境によるとは思いますが全部の画像を開ききるのに数秒間かかってしまいました。スマホに慣れている世代には、少々遅く感じてしまいそうです。ただし、一旦動画を再生してしまえば途中で止まることもなく問題なく視聴することができました。
E210MAのWi-Fi性能をチェックします。E210MAのWi-Fiはacまで対応していますが、ZenBookよりもアンテナの感度が弱いようで、Wi-Fiルーターへの接続機器が多いと接続がacからnになってしまうことがありました。n接続であっても私の自宅のネットワーク環境(いわゆるV6プラスを使用しています)においては安定して30Mbps程度の接続速度が出ているので、一般的な指標としては問題ない速度であり、実際に接続は安定していました。このあたりは使用者の環境や好みによって意見が変わると思います。Wi-Fi速度に不満がある人は、USB接続のWi-Fiドングルを試してみるのもよいかもしれません。
E210MAのWi-Fi性能をチェックします。E210MAのWi-Fiはacまで対応していますが、ZenBookよりもアンテナの感度が弱いようで、Wi-Fiルーターへの接続機器が多いと接続がacからnになってしまうことがありました。n接続であっても私の自宅のネットワーク環境(いわゆるV6プラスを使用しています)においては安定して30Mbps程度の接続速度が出ているので、一般的な指標としては問題ない速度であり、実際に接続は安定していました。このあたりは使用者の環境や好みによって意見が変わると思います。Wi-Fi速度に不満がある人は、USB接続のWi-Fiドングルを試してみるのもよいかもしれません。
オフィスソフトの使用感はどうでしょうか?オフィスソフトといえば一般的にはMicrosoft Officeのことを指すと言ってもよいと思いますが、Microsoft Officeは結構お値段が張るので、今回はE210MAに標準で同梱されているWPSオフィスを使用してみます。ちなみにWPSオフィスはMicrosoft Officeとの互換性が高いと言われているので、通常の用途において困ることはないと思います(互換性は後ほど検証いたします)。余談ですが、もしも読者のみなさんが大学生ならば、所属している大学のライセンスを使って無償でMicrosoft Officeをダウンロードできることがあります。利用の仕方などは大学によって異なると思いますので、詳しくはご自身の所属している大学に問い合わせてみてください。おそらく細かい点でいえばWPSオフィスよりもMicrosoft officeの方が使える機能が多く、将来的なことを考えるとMicrosoft Officeに慣れておく方が良いと思います。
さて、まずはWPS Writerを使用しみます。WPS WriterはMicrosoft Officeで言うところのWordと同様のソフトです。ちなみに前回の記事(【Ryzen5 1600AF】CPUすっぽんからの復帰!?)と今回の記事のほとんどはE210MAのWPS Writerを使って作成、画像のアップロード等全てを行っています。結論から言えば、WPS Writerはとても良い感じで使用することができました。大学や会社などで求められるレポートやレジュメ・会議資料の作成レベルの用途であれば、まったく問題なくこなすことができると思います。処理が遅くて困るような場面も一切ありませんでした。文字入力の時の処理の遅さもなく、文字変換などについても全く不満がないレベルだと思います。
次にWPS Spreadsheetsという、いわゆるエクセルソフトを開いてみます。家計簿レベルの表計算は問題なく実施することができます。統計用の関数を開いてみたところ、平均や分散、標準偏差、相関、T検定など色々な関数が使えるようになっています。エクセルとほぼ同様の操作で入力したデータをグラフ化することもできました。文系の学生などで少し統計学を扱う程度の使用であれば十分に対応できそうです。もちろん高度な統計を行う人はエクセルではなく専用の統計ソフト使うことになるはずですし、エクセルで高度なマクロを組むような人はE210MAのスペックでは全然足りないので、もっとハイスペックなPCを選んだ方が良いと思います。追記:こちらのVivo Book M533IAの記事を参照してみてください。
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WPS Spreadsheets 関数は色々揃っている |
最後にMicrosoft OfficeでいうところのWPS Presentationを使ってみます。まぁ、ほぼパワポです(笑)あっさりした感想になってしまってすみません。でも、ほとんどMicrosoftのパワーポイントでした(笑)。パワポと同様に背景も設定でき、アニメーションも使えました。ゼミ発表程度であれば困ることはないと思いました。
WPSオフィスとMicrosoft Officeの互換性が気になったので、Microsoft Officeが入っているPCにWPSオフィスのファイルを送って動作チェックをしてみました。GmailにWPSオフィスのデータ添付して、別のPCからMicrosoft Office2019で開いてみたところ、互換モードという形で編集が許可されました。WPS Writer、Spreadsheets、Presentationそれぞれのファイルで編集作業をしてみましたが問題なく編集することができました。編集したファイルを再びGmailに添付してE210MAで開いてみます。Gmail上に添付してあるファイルを一度E210MAにダウンロードして動作確認をしてみたところ、Microsoft Officeで編集した部分はWPSオフィス上でもきちんと反映されて問題なく動作することがわかりました。今回は複雑に作りこまれていない単純なファイルで試したので、複雑に作りこんだエクセルファイルやパワーポイントファイルが正確に動作するかは検証できていません。しかし、ちょっとしたレポートやプレゼンテーションレベルのファイルであれば問題なく使用できそうな気がしました。※文末に追記があります。
終わりに
本日はE210MAを使用してみました。E210MAは3万円台という低価格にも関わらず、PC本体が非常に軽量・コンパクトで、バッテリーの持ちも大変良いため、カフェや学校に持ち運んで気軽に使えるモバイルノートPCでした。ローコストPCであるため、CPU性能は低いのですが、PC初心者が日常での使うWEBブラウジングやオフィスソフトの使用では大きな問題は感じませんでした。搭載されているCPUがIntelのCeleron N4020というローパワーCPUだったので、実際に使用する前は実用に耐え得るかが少々心配でした。何故なら人気Youtuberの吉田製作所さん(いつも見ています♪)がE210MAと似たようスペックのド○キPCのレビューをしており、その結果は燦燦たる有様だったからです。しかし、その心配を良い意味で裏切ってくれました。
今回使用したE210MAはIntel Core-i5
8265Uを搭載したZenBook UX433FNと比べると、あらゆる面で性能が劣るのは事実です。そもそも価格帯が全然違うので性能が違うのは当たり前です。しかし、日常のインターネットブラウジングやオフィスソフトを使用した文章作成レベルであれば、動作に多少のもたつきはありますがそこまで不便には感じませんでした。ZenBookクラスの高性能なノートPCは10万円程度するので、ガンガン持ち運んで使用するのは気が引けるという人もいると思います。その点たった3万円で購入できるE210MAは、モバイル用PCとして3-4年使い倒すくらいの気持ちで気軽に持ち運んで使いやすいのではないでしょうか。
そうは言っても、IntelならCore-i3以上、AMDならRyzen 3以上のCPUを積んだPCの方がPCの動作がスムーズで快適性が高いのも事実です。特に普段そのクラスのCPUを積んだPCを使い慣れている方は、CeleronクラスのCPUだと動作のもたつきを感じるとは思います。しかし、その手のCPUを積んでいるノートPCにもいくつか弱点があります。
まずは価格です。E210MAのような軽いノートPCで、Core-i3以上のCPUを積んでいるモデルは10万円程度する場合が多いです。価格ドットコムでASUSのノートPCからCore-i3以上の軽量モデルを探すと、2018年のモデルでASUS VivoBook S13 S330UA S330UA-8130というCore-i3を搭載したノートPCがありました。重さは1.25kgで価格は5万円台でした。E210MAと同等の重さのノートPCだと、ZenBook S UX391UA UX391UA-825RがCore-i5を搭載していて価格は10万円前後でした。できれば良いスペックのノートPCを使いたいとは思いますが、ノートPCにどこまでお金をかけることができるかは相当個人差があるかと思います。
次に騒音と発熱の問題です。高性能なCPUになればなるほどCPU自体から熱が発生します。そのためPC内部にCPUを冷やすためのファンが設置されていて、CPUに負荷がかかる作業をするとファンが結構な音を立てて回ります。最近のノートPCのファンはかなり静かになりましたが、それでも図書館のような静かな環境であればファンの音はそれなりに気になるかもしれません。その点からすると、ファンレス構造のE210MAは全くの無音なのでファンの騒音を気にする必要は一切ありません。
そして今回E210MAを使用してみて一番印象に残ったのは膝の上に置いて使いやすいという点です。ノートPCを英語で言うとラップトップ(膝の上)というのですが、E210MAは膝の上で非常に使い勝手が良いのです。E210MAのモニターはほぼ180度開閉できる構造なので、どんな姿勢でもモニターを見やすい角度に調整できるのです。ASUSさんのHPでは、机の上に広げて複数人で画面を眺めるような使い方を提案していましたが、個人的にはソファーやベッドでだらしない格好、いやリラックスした格好でPCを使ってもベストな角度で作業できるところが非常に良かったです。また、Celeronは低発熱なCPUであるため膝の上で使用していても全く熱くありません。私の愛用しているZenBook UX433FNは負荷のかかる作業を膝上で行うと普通に熱くなります。ファンがついているノートPCは、PC内部に空気を入れるための通気口がPC底面についていることが多いため、ラップトップとは言うわりにはある意味(?)膝の上での作業に向いていないのです。高性能なCPUやGPUを搭載しているノートPCは平滑な机の上での使用に最適化されている商品が多く、リラックスした姿勢で膝の上に置いて使用したり、ごろ寝しながらベッド上で使うような使用方法には向いていないと思います。ファンがついている高性能なノートPCは、ベッドの上のような埃を吸い込みやすい環境で使用すると、PC内部に埃が詰まってしまい故障の原因にもなります。その点、E210MAは低発熱でファンレスのため、どんな場所でも気軽に使用することができると思います。
WEB会議での使い勝手など、本当はもっと書きたいことがあったのですが、今回の記事は少々長くなってしまったのでこの辺りで終わりにしたいと思います。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
2020年9月2日追記
今回の記事はWPSオフィスとMicrosoft Officeで入力した部分があるのですが、WEB上に記事をアップロードすると、WPSオフィスとMicrosoft Officeで字体が変わってしまうことが判明しました。スマホページではあまり気にならないと思いますが、PCページで記事を閲覧すると結構字体が変わっているのがわかると思います。文字化けして読めないなどのトラブルではないため、今回はあえて修正しないでアップロードしておきたいと思います。WPSオフィスとMicrosoft Officeを併用される方はご注意ください。
2020年9月2日追記
今回の記事はWPSオフィスとMicrosoft Officeで入力した部分があるのですが、WEB上に記事をアップロードすると、WPSオフィスとMicrosoft Officeで字体が変わってしまうことが判明しました。スマホページではあまり気にならないと思いますが、PCページで記事を閲覧すると結構字体が変わっているのがわかると思います。文字化けして読めないなどのトラブルではないため、今回はあえて修正しないでアップロードしておきたいと思います。WPSオフィスとMicrosoft Officeを併用される方はご注意ください。
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