【KBEAR Neon(ネオン) レビュー】現代に蘇った名機!?Knowles29689を搭載した玄人好みの一本は心に届くサウンド
ネオクラシック(*´▽`*)♪ |
はじめに
みんさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)。本日はKBEARからリリースされたNewイヤホン「Neon(ネオン)」についてご紹介いたします。「Neon」はイヤホン片側にKnowles製のバランスド・アーマチュア(以下、BA)を一機ずつ搭載した、いわゆるシングルBAイヤホンです。BAを搭載している最近のイヤホンは複数のBAを積んだマルチBAイヤホンやBAとダイナミックドライバー(以下、DD)を組み合わせたハイブリッド構成のイヤホンとして使われることが多いので、シングルBAイヤホンは少し珍しいかもしれませんね。「Neon」に搭載されているBAはKnowles社の名機として名高い29689と言うモデルで、一機のBAで低音域から高音域までカバーする、いわゆるフルレンジBAと呼ばれるタイプのBAです。少し調べてみたところKnowles29689と言えば、古くは Etymotic Researchの名機ER-4Sに搭載されていた由緒あるフルレンジBAのようです(ER-4Sは20年以上前に発売されたモデルとのことですが、何とまだ現役で販売されています)。ちなみにER-4Sはスタジオワークをするプロが音をチェックするために使っていたと言われるくらいに、とにかく正確な音を再現することを目的に開発された製品とのことです。そんな名機ER-4Sと同じKnowles29689が搭載されたKBEARの「Neon」は一体どんなサウンドを奏でてくれるのか?音を聞く前からワクワクしてきます♬
イヤホンの接続は赤と青のドットをこの向きにしました。 |
フルレンジBAのKnowles29689は、一機のBAで全ての音域をカバーすることできるように設計されていますが、いかに名機Knowles29689と言えども、一機でカバーできる音域はDDに比べると広くはありません。例えば、前回レビューさせていただいたTinHifiのT5のような設計が新しいシングルDD機と比べると、「Neon」がカバーできる音域は明らかに狭いと言っていいでしょう。しかしながら、多くのオーディオファンの間では、シングルBA機にはシングルDD機では出せないような魅力があると言われています。そんな「Neon」のサウンドを簡潔に表現すると「ナチュラルで伸びやかな中高音域を主体とした解像度の高いサウンド」です。「Neon」の低音域は再生機器やイヤーピースで結構変わってくるので、色々とセッティングを楽しめる人なら自分好みの唯一無二のサウンドを作りあげることができる気がします。詳しくはこの後じっくりとご紹介させていただきます。本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします(^_-)-☆
Knowles29686が透けて見える |
使ってみた
さてまずはパッケージングから見ていきましょう。どこかレトロな印象を受ける字体で「霓虹」と記載されています。霓虹はNí hóngと読み、ネットスラングでは「霓虹人(Ní hóng rén)」と書いて日本人のことを指すそうです(KBEARの方のお話によると、いい意味とのことです)。パッケージには「人の声がまっすぐに心に届く」と言うキャッチコピーが書かれていています。「Neon」の形状はとにかく真っすぐで、イヤホンから鼓膜に向けて真っすぐに音が届きそうな気がします。中々面白いキャッチコピーだと思いました。
どこか昭和の香りがする・・・ |
黒い内箱はフラップ上にパカっと開きます。フラップ部分はマグネットが入っていて、開閉時にカチッと閉じることができるようになっていて少し驚きました。箱を開けるとウレタンモールドにイヤホン本体、その下にはKBEAR「LARK」にも付属していた少しお洒落なファブリックのケースが入った箱が入っています。そして左の細長い形状の箱にはシリコン製のイヤーピースが3サイズ(S,M,L)とウレタン製のイヤーピースが1ペア、編み込みタイプの銀メッキケーブルが入っています。ケーブルの端子はKBERAでよく付属しているTFZタイプではなく、KZでよく使われているQDCタイプで、ケーブル自体は結構しなやかです。「Neon」は特殊な形状なので、ケーブルにはShureがけ用の癖はついておらず、ユーザーの好みに応じてShureがけ用と通常使用の両方で使えるようになっています。ちなみにシリコン製のイヤーピースもウレタン製のイヤーピースも作りがちゃんとしているので普通に使うことができると思います。
何となく実験道具のような感じ。 |
さて、イヤホン本体を見ていきましょう。イヤホンは樹脂製で、Amazonの販売ページを見た感じだと紫外線硬化タイプのレジンでできているようです。イヤホンハウジングは非常に小型で、筐体の半分をKnowles29689が占めています。ステム部分の材質はわかりませんがメッキ仕上げで、イヤーピース脱落防止用の返しがついています。この返し部分の仕上げは非常に滑らかです。「Neon」は耳の結構奥まで差し込んで使用する設計だと思うので、この部分の仕上げが丁寧にされていることは非常に良いと思います。イヤホンは耳と言う非常にデリケートな場所に入れて使う製品なので、この部分の仕上げが雑だと何かの拍子に思わぬ事故に繋がる可能性があります。このような何気ないところに気配りがなされている製品だと、個人的には人にお勧めしやすいです。
紫水晶のような美しさ(*´▽`*) |
イヤホンのカラーバリエーションは、ブラック、パープル、レッド&ブルーの3色です。ちなみにレッド&ブルーはFenderのPure Sonicのようにイヤホンの右がレッド、左がブルーになっていて面白いです。私はアメジストのような輝きが素敵なパープルを選びました。現在、Amazonの販売ページを見た感じだと、ブラックとパープルのみ入荷しているようで、レッド&ブルーが欲しい方はアリエクスプレスなどで購入する必要があるみたいです。
霓虹(ネオン)の記事を書いていたら・・・ 何と虹が見えましたが電線が邪魔(-_-;) |
そろそろ実際に音を聴いていこうと思います。使用機材はいつも通りHuaweiのP30Proです。接続はFiioのDAC内蔵ポータブルアンプQ3を使用しました。普段レビューで使っているエレコムのDAC内蔵USB-3.5㎜変換ケーブルAD-C35SDBKも悪くなかったのですが、「Neon」はQ3との相性が非常に良かったのでこちらを使用しました。使用音源はAmazonプライムミュージックからX Japanの「Tears」を聴いていきたいと思います(曲名をクリックするとAmazonプライムミュージックに飛びます)。いわずと知れたX Japanの名曲「Tears」だけに、私がどうこう説明する必要はないと思いますが、是非ともお手持ちのイヤホンを使用して、一緒に「Neon」のサウンドを想像してみてください(^_-)-☆
0:00~ 美しいストリングスから楽曲がスタートします。どこまでも伸びていくようなストリングスと「Neon」に搭載されたKnowles29689の威力がいきなり発揮されます。特にFiioのQ3を使うと、ストリングスの響きがさらに豊かになって非常に心地良いです。
0:32~ ToshiさんのヴォーカルとYoshikiさんのピアノが鳴り始めます。Toshiさんのハスキーかつ倍音豊かなハイトーンヴォイスの伸びやかさに思わず聴き言ってしまいます。Yoshikiさんのピアノは一歩後ろに配置されたアレンジなので、ピアノの繊細な響きの魅力は十分には味わえませんが(しかし「Neon」はピアノソロ楽曲を聴くと凄いです!!)、非常にドラマチックな楽曲を下支えする役割に徹した演奏に安心感を感じますね。
イヤーピースはどちらも堅めです |
1:20~ ドラマチックで壮大な響きを感じるストリングス隊が入ってきます。「Neon」に搭載されたKnowles29689は、FiioのQ3によって少しブーストされて、ストリングスの自然で豊かな響きの魅力を余すことなく伝えてくれます。
2:13~ エレキギター、ベースとドラムが入ってきます。エレキギターのリアルな響きに思わずハッとさせられます。ヴォーカルとエレキギターの生々しくも美しい響きにKnowles29689の解像度の高さを見せつけられるかのような気持ちになります。ドラムもピアノ同様に音場の後ろで下支えに徹しているのですが、どちらの演奏にもエネルギッシュな何かを感じますね。ベースに関してはアレンジ的にもそうなのですが、Knowles29689の苦手な音域なので少々存在感が弱くなりやすく、アンプを持っている方はアンプで補ってあげるとタイトで綺麗な低音域を楽しむことができると思います。
アンプとの相性が良かったです♪ |
「Neon」は中音域から高音域が得意なので、必然的に低音域の存在感が弱くなってしまうと言う宿命を背負っていることが良くわかります。しかし、低音域が出ていないのかと言えばそういうわけではありません。いわゆる沈み込むような重たい低音域、いわゆる重低音は出ていませんがクリアでタイトな低音はしっかりと鳴っています。もちろん、前述したような性質を持ったイヤホンなので低音域がズンズン前に来るようなアレンジの楽曲は苦手だと言って良いと思います。しかし、今回はFiioのQ3を使うことで、中高音域の細かいニュアンスをきっちりと活かしながら、Knowles29689ならではのタイトでキレのある低音を引き出すことができました。もしも、お手元にポータブルアンプがある方は、好みに合わせて使ってみると「Neon」の意外な一面に気づくことができるかもしれません。
Neonのポテンシャルを引き出しました(*´▽`*) |
終わりに
本日はKBEARよりリリースされたシングルBAイヤホン「Neon」についてレビューさせていただきました。「Neon」はKnowles社の名機29689をイヤホンの片側に一機ずつ搭載した、非常にシンプルな構造のイヤホンでした。往年の名機Etymotic Research ER-4Sを彷彿させる設計から奏でられるサウンドは、非常に自然かつ素直で美しい中高音域の響きを持ち、シングルBAイヤホンの魅力を存分に味わうことができる仕上がりだったと思います。と言いつつ、私はEtymotic Research ER-4Sを使用したことが無いので、一度聴いてみたいと思いました(・_・;)
付属のケースは結構使い勝手がよいです★★★ |
実は「Neon」の持っている魅力的なサウンドを引き出すまでに結構試行錯誤しました。イヤホン形状が独特で、イヤモニ型のイヤホンに比べるとフィッティングが難しく、イヤーピースのフィッティングが悪いと、低音が抜け気味になってしまい中々良さが引き出せなかったのです。色々と試した結果、私の場合はシリコン製のイヤーピースよりも、ウレタン製のイヤーピースの方が耳の奥の方で隙間なくフィットさせやすく、その方が低音も出て好みのサウンドを得ることができました。Etymotic Research ER-4Sにはトリプルフランジイヤーピースが付属していたことを考えると、ER-4Sと同じKnowles29689を積んでいる「Neon」も、きちんと遮音できるようなフィッティングを心がけた方がドライバーの本領を発揮しやすいのだと思います。
とにかくフィット感が重要かも!? |
今回はFiioのDAC内蔵ポータブルアンプQ3を使ってあげることで、DDでは真似ができないような、BAらしい歪がない自然で豊かな響きを得ることができたと思います。特に、今回選んだX Japanの「Tears」は多くのイヤホンでヴォーカルの歪を感じやすいと思いますが、「Neon」は不快な歪が皆無でした。これは何気に凄いことかもしれません。また、私が良く聴くピアノ楽曲に関しても「Neon」の表現力は非常に秀逸でした。艶やかで深みを感じる中低音域から、響きが弱くなりやすい高音域のフレーズまで非常にピアノらしい自然な響きを鳴らすことができました。以前、KBEARのエントリーモデルイヤホン「KS1」でご紹介したLiSAさんの「Unlasting」などとの相性も素晴らしく良かったです。シングルBAイヤホンに興味がある方は一度手に取ってみると良いかもしれません。そんなわけで、本日も最後までお読みいただきありがとうございました(*´▽`*)
のびやかで自然なサウンド(*´▽`*)♡ |
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