【TINHiFi T2EVO レビュー】ミニマルで無駄のないサウンドを持ったTINHiFiらしい名器
ミニマルで無駄のないサウンド(*´▽`*) |
はじめに
みなさん、こんにちは。三流心理カウンセラーです(*´▽`*)🍀✨本日はTINHiFi「T2 EVO」についてレビューしていきたいと思います。「T2 EVO」はTINHiFiの人気イヤホンT2シリーズの最新作です。「T2 EVO」はイヤホン片側に10㎜のダイナミックドライバー(以下、DD)を一基搭載したイヤホンで、いわゆるシングルDD機です。搭載しているDDの材質に特徴があるようで、メーカーのHPを見ると炭素分子複合ダイアフラム(つまり、カーボン系のダイアフラム)と書かれています。何となくですが、最近はDDの材質にこだわる製品が増えている印象です。
シンプルな筐体にカーボン系のダイアフラムを搭載 |
「T2 EVO」は以前にご紹介した(メーカーは違いますが)TRN「TA1」と同じような太鼓型のデザインで、イヤホン筐体には航空機グレードのアルミニウム合金が使用されていています。メッキ仕上げのTRN「TA1」に比べると、アルミニウム合金の金属感を活かしたデザインになっている「T2 EVO」はとてもすっきりとしたデザインに感じます。面白いものでサウンドもすっきりしていて、中音域~高音域が歯切れよく弾けるようなクリスピーな出音です。そういった意味で言うと、「T2 EVO」は、私の中でイメージしているTINHiFiらしいサウンドです(謎)個人的にTINHiFiはクリア―な音作りが上手なメーカーという印象があります。そんなTINHiFi「T2 EVO」のサウンドを手短に表現すると「丁寧にチューニングされた弾けるような中~高音域が美しく魅力的なサウンド」です。中高音域が主体のイヤホンと言うと、「サ行の刺さり」がどうなのか気になると思うのですが、この辺りは流石TINHiFiで、きっちりとチューニングされています。そんなわけで詳しくはこれからじっくりと見ていきたいと思います。本日も最後までお付き合いをよろしくお願いいたしますm(__)m
左:TIN HiFi T2EVO 右:TRN「TA1」 |
使ってみた
まずはパッケージから見ていきましょう。どことなく品がある紙製の白い箱です。KZなどの白箱と違って変な安っぽさがなく箱には金色でTINHiFiのロゴが型押ししてあって高級感すら感じます。外箱の中には内箱が入っていて、内箱は重箱方式になっています。付属品はケーブル、イヤーピース、布製のキャリーバッグです。イヤーピースはシリコン製(S,M,Lがそれぞれ2ピースで何と合計6セット!!)とウレタン製が付属していて、ウレタン製は少しお洒落な色合い(ターコイズブルー)のものが付属しています。付属品の入っているプラスティックバッグにはTINHiFiの文字とロゴがプリントされています。
ちょっと高級感がある箱です(*^-^*) |
ケーブルは3.5㎜プラグでイヤホンとの接続部分はmmcx端子になっています。ケーブルは編み込み式の銀メッキケーブルでやや細目です(ちなみに30/0.05 OFC(5N)+200D Kevlarの高品質ケーブルとのことです)。プラグや端子部分はイヤホン本体と同じような質感の艶消し仕上げの金属製で恐らくアルミ製だと思います。ケーブル全体がイヤホン本体と同じような質感で仕上げられていて、3.5㎜プラグの端子部分も滑り止めがついていて高級感があります。最近の中華イヤホンは銀メッキケーブルが標準になっているような気がしますが、TINHiFiの付属品はかなり品質が高いと思います。個人的には結構「THE 銅線」みたいなケーブルも嫌いではありませんが、銀メッキの方が見た目が落ち着いていて良い気がしますし、すっきりとミニマルなデザインの「T2 EVO」には銀メッキケーブルが似合っていると思います
シリコンイヤーピースが大量です♪ |
付属銀メッキケーブルをイヤホンにセットしてみようと思ったのですが、非常に差し込みが固いです。個体差なのかもしれませんが中々カチッとハマってくれません。手持ちのサードパーティ製のmmcxケーブル(cooyin,TRN等)を使うと普通にカチッとハマってくれたので、純正ケーブルのmmcx端子はちょっとキツめの設計なのかもしれませんね。もしも、固いなと思った方は、力づくで押し込むと端子部分を破損する恐れがあるので端子のハマり具合を確認しながら丁寧に接続するようにしてみてくださいね。
右の純正ケーブルは純正なのに少々固いです(;^_^A |
イヤホン本体をじっくりと見ていきましょう。ぱっと見た感じイヤホン筐体は2ピースでできているようです。機械で削り出されたままのような線が残る仕上げで、艶消し部分は梨地仕上げになっています。フェイスプレートやケーブル接続端子部分は赤と青の色が付いていています。もちろん(謎)赤が右側で、青が左側です。ノズル部分とイヤホンのフェイスプレート部分にはベント孔が開いています。構造的にはDDの前後にベント孔が開いていると、振動板が本来あるべき自然な形で振動できそうですね。専門的なことはわかりませんが、何となく効率よくDDの振動特性を最適化できそうに見えます。
切削痕が美しい気がします(*´▽`*) |
スペックはこんな感じになっています。
感度:93±1dB 1KHz 0.126V
歪み率:1% 1KHz 0.126V
周波数帯域:10-20000Hz
インピーダンス:32Ω
「T2EVO」はインピーダンスがそこそこ高いので、もしかするとアンプなどを使った方が本領を発揮できる設計のイヤホンなのかもしれません。少し余談ですが、最近愛用しているAUDIRECTの「BEAM2-SE21」というUSB DUCアンプがあるのですが、こいつが滅茶苦茶便利です。ボタン一つでゲインを低、中、高と選択できる製品で、一本あるだけで低インピーダンスのイヤホンから高インピーダンスのイヤホンまで、様々なイヤホンに対して最適なゲインを設定することができます。私のようにスマートフォンで音楽を楽しんでいる方には宣伝抜きでお勧めできる製品です。
Audurect Beam2SE-21はすごくお勧めです(^_-)-☆ |
さて、そろそろ実際に音を聴いていきたいと思います。機材はASUS Zenfone8にAudirect Beam2SE-21を接続して、AmazonプライムミュージックUnlimitedからAnimerさんの「残響散歌」(ULTRA HD)を聴いていきます。
0:00 ~ スコーンと抜けるようなスネアのフィルインからスタートです。その後、ピアノとホーン(ブラス)系のサウンドが入ってきます。スネアのようなスコーンと抜けるスピード感のあるサウンドは「T2 EVO」の非常に得意とする部分かと思います。ピアノやホーン系のサウンドはあっさりと子気味よく鳴っています。
ドライバーの鳴りがまっすぐに届きそうなデザイン |
0:10 ~ ドラム、ベース、ギター、ピアノ、ホーン等全ての楽器隊が洪水のように流れ込み、ヴォーカルもDa-da-ra-da-ra・・・と入ってきますね。「T2 EVO」の低音域はかなりタイトな鳴り方なので、多くのサウンドが一斉に入ってきた場合でも、それぞれの音の分離感が非常に良いと思います。
付属ウレタンイヤーピースはすごく鮮やかな色です♪ |
0:21 ~ Aメロです。「T2 EVO」の残響音が少なくドライな音作りは、ハスキーなヴォーカルを生々しいほどに際立たせます(楽曲は残響散歌ですが(謎))。イントロ部分では低音域が弱めに感じたのですが、音数は少ないパートで聴いてみるとバスドラムの低音もしっかりと鳴っていることがわかります。バッキングのアグレッシブなギターのカッティングもしっかりとキレを感じます。そして、背後で鳴っているテクニカルなベースのプレイも非常イキイキと再現してくれます。
0:32 ~ Bメロです。Aメロに比べて楽器が増えますが、各パートが綺麗に鳴っています。「T2 EVO」は一聴すると高音域が印象的だったのですが、実は音のバランスは結構フラットだと思います。各パートが均一に鳴っているような印象で、それぞれのパートのニュアンスを追いかけることができる、玄人好みの音作りと言っても良いのかもしれません。
機械から削り出されたようなシルエットが美しいと思います。 |
0:48 ~ サビです。サビはやはり(謎)様々な楽器が一斉に鳴るのですが、各パートのニュアンスはきちんと表現しつつ、どこかを極端に強調しないチューニングバランスであることが改めて感じられました。再生環境によっては、音数が多いと若干飽和気味に聴こえるかもしれません。そういった意味では、純粋にリスニングイヤホンを探している人や、初めて中華イヤホンに手を出す人よりも、少しマニアックな人、例えば音数の少ない編成のバンドや楽器のソロ楽曲を聴く人の方が楽しめる一本な気がしました。
終わりに
本日はTINHiFiの「T2 EVO」についてレビューしていきました。「T2 EVO」はミニマルなデザインのアルミ筐体で、イヤホン片側に10㎜のDDを一基搭載したシングルDDイヤホンでした。炭素分子複合素材でできたダイアフラムから奏でられるサウンドは「丁寧にチューニングされた弾けるような中~高音域が美しく魅力的なサウンド」でした。中音域から高音域の音伸びが美しくて、サウンドの減衰感が自然で心地良くリスニングできる側面を持つ一方で、再生環境によっては低音域が不足気味に感じるかもしれないと思いました。
SpinFit CP100+との相性も◎ |
最近の高音質イヤホンは人間工学に基づいたエルゴノミック形状のイヤホンが多いです。そのような、いわゆるイヤモニ形状と呼ばれるイヤホンは装着感や遮音性が良く、非常に機能的で扱いやすいものが多いと思います。しかし、アルミからざっくりと削り出されたような「T2EVO」のイヤホン筐体は、複雑な形をしたエルゴノミック形状のイヤホンとは真逆のミニマルなシルエットですが、そのシンプルな佇まいにはどこかしら機能美を感じます。しかし、その機能美は搭載したDDのポテンシャルを最大限に引き出すための造形で、きっとドライバーの音をまっすぐに耳に届けるためのデザインであるため、人によっては良い装着感にするための工夫が必要になると思いました。
同じシングルDDイヤホンでもここまで大きさが違います。 左:T2EVO 右:T5 |
例えば、私の場合は付属ケーブルと付属シリコンイヤーピースでは最適なフィット感が得られず、最終的にはTRNの銀メッキ16コアケーブルとSpinFit CP100+を使用することで納得行く装着感を得ることができました。もしもイヤホンがしっくりと耳に収まらない方は、しなやかな素材のサードパーティ製のケーブルやイヤーピースを試してみることをおススメいたします。「T2EVO」はきっちりとフィッティングしないと低音が不足しやすい傾向にあるので、フィッティングの重要度が一般的なイヤホンよりも高いと思います。リケーブルまでしたくない方は付属のウレタン製イヤーピースを使用すればピッタリとしたフィット感が簡単に得られるので是非とも試してみてください。また、ポータブルアンプなどがある方は、アンプに接続して少しゲインをあげてみるのもよいかもしれません。私はAudirect Beam2SE-21に接続してはハイゲインで鳴らしたサウンドが好みでした。今回、色々と試してみて改めてTINHiFiのイヤホンは、音にこだわるちょっとマニアな方にお勧めだなと思いました。本日も最後までご覧いただきありがとうございました(*´▽`*)
玄人好みの一本だと思いました(*´▽`*)♪ |
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