【ASUS ROG Zephyrus M15 GU502LW-I7レビュー】Intel Core i7とNVIDIA RTX2070を積んだガチ仕様ゲーミングノートPCは使い手を選ぶ!?
大人っぽい外観 |
はじめに
こんにちは。今週はAmazonプライムデーがありましたね。その影響なのか、当ブログの記事も、Amazonの超コスパタブレットである【New Fire HD8】の記事や、イヤホン関連では多ドラ中華イヤホンの雄KZ Acousticの【ZAX】、人気のプロ用音響機器を作るアメリカShure社の【SE215】、質実剛健かつ精密な音を奏でるドイツの名門Sennheiser社の【IE40PRO】のレビュー記事閲覧数が非常に伸びました。当方の稚拙な記事を読んでいただき本当に感謝しています。また、記事を書くにあたってTwitterで沢山の意見や情報をくださった方々にも感謝を申し上げます。
本日ご紹介させていただくのはASUSさんから2020年9月5日に発売されたゲーミングノートPC【ROG
Zephyrus M15 GU502LW-I7(以下、GU502LW-I7)】です。ROGはASUSさんが展開しているゲーミングブランドの一つで、ROGとは「Republic of Gamers」の略とのことです。「ゲーマーたちの共和国」くらいの意味だと思いますが・・・凄い国ですね。ASUSの社員の方は「ROGをアール オー ジー」と読んでいました。ちなみに私はログだと思っていました(;^_^A)。
集えゲーマー達!! |
さてGU502LW-I7はゲーミングノートPCの中では一番の激戦区である15.6インチサイズに投入されたノートPCです。ASUSさんのHPを見ると15.6インチゲーミングノートPCはCPUやGPUの違いによる製品のバリエーションがかなりあります。本日レビューするGU502LW-I7はCPUにはIntelの最新第10世代のCore i7 10750Hを搭載しており、GPUにはNVIDIAの高性能GPUであるRTX2070MAX Q、SSDは1TB、メモリーは16GB搭載しているので、本気でゲームをするプレイヤーでも満足のいくハードウェア構成になっているのではないでしょうか。
Core i7は6コア12スレッド |
このクラスのPCを購入する人にあまり説明がいらないかもしれませんが、CPUはIntelの上位CPUであるCore
i7を搭載しています。もう一段上のCPUとしてCore i9もありますが、CPU性能が上がれば上がるほどに発熱が大きくなるため、ゲーミング用途であればCore
i7あたりが無難な気がします。GPUはNVIDIAのRTX2070MAX Qということで、こちらも通常のゲーミング用途では十分に高性能なGPUです。NVIDIAのノートPC用GPUラインナップ自体には、RTX2080スーパーまであるようですが、ゲームをFHDで楽しむ分には、個人的にはGU502LW-I7に搭載されたRTX2070MAX Qで十分な性能が得られると思います。
いんてるぅ~(謎) |
GU502LW-I7で特徴的なのはSSDの接続方式です。SSDの容量は1TBと書きましたが、一風変わったRAID 0という方式を採用しており、ノートPC内部のマザーボード上に二枚のM.2 SSDがPCIe3.0×2接続で搭載されています。RAID 0とは複数台のSSDを組み合わせて、1台の仮想的なSSDとして運用する技術です。RAIDにはRAID 1と RAID 0という方式がありますが、GU502LW-I7で使われているのはRAID 0で、512GBのSSDを二台つなげることで、1台のSSDとして扱っています。RAID 0で使うとデータを分割して同時に書き込むことができるので、SSDの処理速度を向上させることができます。これによってゲームはもちろんクリエイティブな作業をする場合にSSDの処理速度を高めることができます。しかしながらRAID 0には欠点もあります。2台のSSDで一台分のストレージとして機能するため、一台のSSDを破損してしまうと、データがすべて使えなくなる可能性があります。また、容量アップを目的にSSDを交換する場合は2台のSSDが必要になります。ふと思いましたが、まだまだ高価な4TBのSSD(7万円-10万円)を使いたい場合、安価になってきた2TBのSSD(一台2万円程度)二台を購入すれば済むので、考えようによってはRAID 0はお財布に優しいのかもしれません。ちなみに高容量のSSDほど、処理速度や耐久性が向上するため、経済的に余裕がある人は高容量のSSDに交換してみると幸せになれます。ただし、ASUSさんでは分解や部品交換に関してはサポート対象外なので交換する際はあくまでも自己責任でお願いいたします。SSDの交換を考えている人は、例のごとく、ASUSさんのプレミアムあんしん保障に加入しておくことをおススメいたします。
高価なPCなので入った方が良いかも。。 |
使ってみた
左右に冷却ファン!! |
天板を開くと液晶画面とキーボードが顔を出します。天板の右上、キーボードとは独立した位置に電源スイッチがあります。電源スイッチを押すと、すぐにROGのロゴが表示されてPCが起動します。液晶画面は15.6インチです。Windows10のログイン画面の写真が驚くほど鮮やかできれいに見えます。スペック表を確認したところ、解像度は3,840×2,160ドット の4K(UHD)だとわかりました。普段FHD解像度のPCを使っているので明らかな発色の違いを感じます。先に言っておくと、今回のテストでは4Kの威力を発揮するような使い方はしなかったのでレビューはできませんが、おそらく映像関係の仕事でも使いやすいのではないでしょうか(すみません。完全に想像です)?
画面が滅茶苦茶綺麗です(*´▽`*) |
液晶画面上部と左右のベゼルはかなり細いので画面が大きく見えます。液晶画面下部のベゼルは太いのですが、それによって液晶画面全体の位置が高くなって画面が見やすい気がします。ちなみにWEBカメラはないので、WEB会議システムを使いたい人は別途カメラが必要です。カメラがないので、もちろん顔認証はできません。そしてなんと指紋認証も装備していません。持てる力の全てをゲームに振った仕様なのだと思いますが、できたらWEBカメラはつけてほしかった気がします。
カメラは欲しい気がしました・・・ |
キーボードの配列は思いのほか普通というか、むしろデスクトップPCに近いです。F1~F12のキーがデスクトップPCのように4つ毎に分割されています。分割されていることによって普段デスクトップPCを使っている人であれば、ぱっと見ですぐにキーの位置が把握できて使いやすいと思います。ゲーミングの要であるWASDキーは特殊な尾色や形状ではない、全く普通のキーがついています。
以外に使いやすいレイアウトかも |
右上ボタンからArmoury Crateへ |
キーボードの一番右端には、Delete/Insert、Home、PgUp、PgDw、End、Fnキーが縦に並んでいます。前回レビューしたUM425IAも同様のキー配列だったのですが、本機ではEnterキーと右端のキー間隔が少し広くなっているため、間違って押しそうになることはほとんどありませんでした。ただ、DeleteとInsertのキーが共用なので、人によっては使いにくさを感じるかもしれません。そして多くの人が「おやっ?」と思うのがSpaceキーでしょう。Spaceキーの左下の面積が少し広くなった左右非対称なデザインです。Spaceキーはゲームでジャンプに割り当てられることが多いキーで、実際に使ってみるとわかるのですが、このデザインのおかげでスペースキーが非常に押しやすくなっています。個人的には普通のPCでもこのデザインを採用してほしいくらいにSpaceキーが押しやすい気がしました。
このSpaceキーは押しやすいです |
続いてサイズを見ていきましょう。筐体のサイズは360mm(幅)×18.9~19.9mm(高さ)×252mm(奥行)で、重量は約2.0kgです。15.6インチのノートPCとして気持ち大きいですが、15.6インチのゲーミングノートPCとしては薄くて軽量コンパクトだと思います。
薄いZenBook(右)と比べるとこんな感じ |
バッテリーはJEITA測定法2.0で9時間持つとのことで、ゲーミングPCにしてはわりとバッテリーがもつ方ですが、持ち運んでゲームをするならばACアダプターも持ち運びたいところです。ACアダプターは写真のようにASUSさんの最新ゲーミングスマートフォンROG3とほぼ同じサイズで(6.6インチ)、消費電力は230W、重さが700gほどあります。このPCを普段使いのモバイル用途に選ぶ人は少ないと思いますが、もしもモバイル用としてACアダプターもセットで持ち運ぶならリュックが欲しい重さだと思います。
ACアダプターはほぼ6.6インチ |
インターフェースを見ていきましょう。インターフェース写真のように筐体の左右に豊富に設定されています。右側にUSBタイプAが二つ、急速充電に対応したUSBタイプCが一つあり、左側にAC電源ジャック、ギガビットLANポート、HDMI、USBタイプA、そしてゲーミングらしくマイクジャックとイヤホンジャックが独立して設定されています。
写真が暗くてすみません(-_-;) |
PC本体に1GbpsのLANポートがあるので、インターネットに有線接続することでゲームに必要な高い接続の安定性を得ることができますが、最新のWi-Fi6にも対応しているので、インターネット環境によっては有線LANを使うよりもWi-Fi6を使う方が速度が出るかもしれないです。本機はクリエイターもターゲットにしているPCだと思うのですがSDカードスロットはありません。4K画像の編集を行う人であればタイプCのサンダーボルトがあるので困らないのかもしれませんが、昔ながらのSDカードを使っているユーザーは別途カードリーダが必要になります。
左利きでもUSBマウスが接続しやすい |
さて、実際のゲーム性能を見るために、ヘッドセットをしてフォートナイトをプレイしてみました(フォートナイトはEpic GamesのHPから無料でダウンロードできます)。カタログによるとリフレッシュレートは240Hzの液晶を搭載しているとのことで、今まで使ったことがあるノートPCの中では段違いに滑らかに映像が動きます。私が普段デスクトップPCで使っているASUSさんのIPS 144Hz液晶モニターと比べると、体感的には滑らかさの違いはそこまで感じないのですが、気のせいかエイムが良くなっている気がします。また、GU502LW-I7の方が、私のデスクトップPCモニターよりも明らかに色合いが鮮やかです。キーボードはノートPCのキーボードなので、普段デスクトップを使用している人には押し心地に違和感があるかもしれませんが、キーの反応スピードも速く非常の気持ち良くプレイできます。ゲーミングノートPCなのでNキーロールオーバーに対応していて、様々なキーを同時押ししてもしっかりと認識してくれます。前述しましたが、ジャンプに使うSpaceキーが非常に押しやすい形状で、今まで使ってきたノートPCの中では一番操作がしやすかったです。フレームレートは写真のような感じで、中画質で影をOFFにすると937fpsと表示されました。モード選択画面の数値なのであれですが、実際のプレイ中でも必要以上のfps値が得られました。
中設定だとオーバースペック過ぎる!! |
続いて高画質で細かい数値を何もいじらない状態にすると410fpsと表示されました。プレイ中は結構前後してしまいますが、高設定でもGU502LW-I7のモニター性能を十分に活かし切ることができると思います。特に設定で影を切ってしまえば、244Hzの液晶性能をほぼ使い切った状態でプレイできると思います。最後に最高設定です。100前後のfpsを維持できるので、この状態でも結構普通にプレイできると思います。
高設定は余裕 |
最高設定もOK |
しかし、プレイする中で問題点も見えてきました。PC本体右側のインターフェースにマウスを刺してプレイしていたのですが右手に熱風を感じます。そして、キーを押している左手にも心なしか熱が伝わってきます。実際の筐体を触ってみると、かなり熱くなっています。ポケットに入れておいて熱くなってしまったホッカイロくらい熱いです。手がかじかむような冬場は良いかもしれませんが、この記事を書いている秋口だと文句なしに熱いと思います。画質設定が中であってもGPU、CPUともに80℃台になり、特に最高設定でプレイしていると90℃近くまで温度が上がります。PCの寿命を考えると高設定で遊ぶのであれば、何らかの外部冷却機器を導入した方が良いと思います。また、ヘッドセット外してわかったのですが、温度の上昇とともに冷却ファンの作動音が非常に大きくなっていました。ゲームなどをしない通常時は静かだったのですが、本気でゲームをすると冷却ファンの音がかなり大きくなるようです。ヘッドセットをしていれば問題にはならないと思いますが、ヘッドセットなしで高負荷なゲームはできないと言って良いと思います。
ファンの音が大きいのでヘッドセットは必須!! |
おわりに
本日はASUSさんより2020年9月5日に発売されたゲーミングノートPC【ROG Zephyrus M15 GU502LW-I7】を紹介させていただきました。GU502LW-I7はROGの名前を冠するだけあって、Intel Core i7とNVIDIA RTX2070を搭載した、ハードなゲーマーでも満足できる非常に高性能なノートPCだと思います。特に印象に残ったのは、その画質の良さです。液晶画面の色がノングレアにも関わらず非常に色鮮やかで、ゲームはもちろんPCで映画を観るようなユーザーもきっと満足できると思います。そして、動画や画像、写真編集をするクリエイターの方々にも是非一度手に取って欲しいと思える一台でした。
4Kにハイレゾに何でも来い(^^♪ |
しかし、ハイスペックPCならでは問題もいくつか見受けられました。まずは熱と冷却ファンの音です。インテリジェント冷却システムと名付けられた強力な冷却ファンコントロールとドイツのThermal Grizzly社の液体金属CPUグリスを使って冷却には気を使っているのですが、コンパクトな筐体にハイスペックなパーツを詰め込んでいるため、かなりの熱が発生してしまい、それを冷やすための冷却ファンの音とそこから放出される熱気は気になります。冬場は手元が温まって良いような気がしましたが夏場はさすがに辛い気がします。できればマウス操作をする右手に熱風が当たらない仕様にして欲しいと思いました。折角なのでこの熱風を何か利用できれば面白いのですが・・・ドリンク保温用ホルダーとかあると面白いですかね?PCにこぼせば確実に壊れそうですが、そこはプレミアムあんしん保障を使うとして・・・ちょっと違いますかね(笑)
RGBが綺麗です |
次はACアダプターが700g以上あり結構重く感じることです。230Wの高性能ACアダプターなので仕方がないと思うのですが、何とかならないのでしょうか?タイプC給電についてはおそらく100Wまで対応だと思うのですが、タイプC給電のアダプターなら200グラムくらいの製品がありそうです(記事の最後にリンクを貼っておきます)。今回は未検証ですが、この100Wの充電器でも安定して動作させることができるかが気になります。そして、ACアダプターについてはさらにもう一点あります。ほぼすべてのメーカーさんがそうなのですが、ACアダプターとコードを分割できるタイプのACアダプターの場合、何故か片側分しかコードをまとめるバンドがついていません。大抵はコンセント側のコードにバンドが付いていないのですが、是非とも付属していて欲しいです。できればメーカーロゴなどが入ったバンドを純正でつけてもらえると、片づけや持ち運びの際に便利で助かります。
写真上の部分を束ねるバンドが欲しい |
いつものように最後に難癖をつけてしまいましたが、GU502LW-I7はどんな場所でもPCに最高のパフォーマンスを求める、妥協できないガチゲーマーにとって中々魅力的な製品だと思います。サイズもこのクラスの性能を持ったノートPCとしてはかなりコンパクトにまとまっていますし、個人的には大人っぽく仕上げられたデザインが好印象でした。しかし如何せん、ハイスペックノートPCなのでお値段が少々張ります。お近くで実機を確認できる方は一度事物を触ってみるのが良いと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ROG Phone3とセットで使おう!! |
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